「あの家はお金に余裕があるのよ」聞き出した話を言いふらしたママ友。だが、私の意趣返しに顔色が一変
バザーの片づけで耳に入った噂
子どもが小学生だった頃です。バザーの片づけをしていると、別のクラスのママが小声で教えてくれました。
「あの家はお金に余裕があるのよ」
そう話している人がいる、というのです。
あの家、というのは我が家のことでした。
「気を悪くしないでね。でも、耳に入れておいたほうがいいと思って」
教えてくれたママは、それだけ言って荷物を運びに戻っていきました。
心当たりはありました。
同じクラスの、話し好きなママです。会うたびに、家のことを聞いてくる人でした。
最初は親切な方だと思っていました。荷物を持ってくれたり、行事の日程を教えてくれたり。
変わったと感じたのは、授業参観の帰りです。
「ご主人のお仕事って何をしているの。家はどのくらいの広さ?」
世間話の調子で、細かく聞かれました。
私は広さも金額も答えず、笑って流したのです。
答えなかったはずのことが、こうして人づてに戻ってきました。
その後も、行事のたびに同じでした。よその家の習い事の数、子どもの持ち物、車の買い替え。全部が比べる材料になっていきます。
「あそこのお子さん、塾は行ってないのよね」
誰の名前も出さない代わりに、その場にいない家の話ばかりが続きました。
「うちは教育費にかけてるから、大変なの」
そう言いながら、他人の家の懐具合を数えているのでした。
そっくり返した学習発表会の後
秋の学習発表会が終わった後、廊下の隅で呼び止められました。
「家は何坪だったかしら。ご主人のお給料は、どのくらい?」
私は同じ笑顔で、同じ順番に聞き返しました。
「そちらのお宅はいかがですか。何坪で、ご主人はどのくらい?」
怒っても、嫌味を言ってもいません。返ってきた言葉を、そのまま返しただけです。
彼女の顔から色が引きました。えっ、と息が漏れて、その先が出てきません。手にしたプログラムを握り直し、目線が下がりました。
「……うちは、別に、普通よ」
「そうですよね。私もそうです」
近くにいたママが二人、顔を見合わせました。彼女は天気の話に切り替えると、そのまま昇降口へ歩いていったのです。
それきり、家のことを聞かれなくなりました。
やりとりを見ていたママたちも、同じ返し方を使うようになりました。聞かれたら、そのまま聞き返す。それだけで、探るような会話がその場から消えていったのです。
翌年の懇談会で出た話題は、宿題の量と登校班のことばかりでした。彼女とは廊下で会えば挨拶をします。ただ、我が家の広さを聞かれることは、卒業まで一度もありませんでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














