「デザインが気になっただけだよ。そんなに怒らないでよ」勝手に手帳の中身を見た友人。我慢出来ずに返した一言とは
集まりの休憩中に
短大時代の友人たちと、久しぶりに集まって過ごした日のことです。
テーブルの上には、それぞれの荷物が置いてありました。
飲み物を取りに立って戻ると、隣の友人が何かをぱらぱらとめくっています。
よく見ると、私のカバンから出されたスケジュール帳でした。
「ちょっと、それ」
私の声に、友人は悪びれる様子もなく、手帳を軽く掲げてみせます。
「この表紙とか、中のデザイン、すごく可愛いね。どこで買ったの?」
心底うれしそうに、そう聞いてくるのです。
その屈託のない笑顔を見ると、責める言葉が喉の奥で止まりそうになります。
悪いことをしている自覚が、まるでなさそうだったからです。とはいえ、黙って手帳を返してもらうだけでは、私の気持ちはおさまりませんでした。
笑って済ませる友人
予定を盗み見たわけでも、誰かに言いふらすわけでもありません。ただ、私のカバンに手を入れて中身を取り出したこと、それ自体がどうしても引っかかりました。
「デザインが気になっただけだよ。そんなに怒らないでよ」
友人はやっぱり笑っています。悪気がないのは、よく分かります。けれど、ここで笑って流してしまえば、きっとまた同じことが起きるはずでした。
あとで聞いた話では、別の友人も同じように、机に置いた手帳を勝手に見られたことがあるそうです。きっと本人は、軽い気持ちで繰り返してしまうのでしょう。
静かに返した一言
私は手帳を受け取って、膝の上にそっと置きました。それから、友人の目を見て言いました。
「人の物を、勝手に見ないでよ」
責める口調にならないように、けれどはっきりと。短い一言でしたが、言い終えると、ずっと抱えていたつかえが取れた気がしました。
友人は一瞬きょとんとして、それから小さく肩をすくめました。
「……たしかにそうだね。ごめん、勝手に開けて」
思ったよりもあっさりと、謝ってくれました。空気が悪くなることもなく、私たちはまたお茶を飲みながら、昔の話に戻っていきます。
身構えていたぶん、拍子抜けするくらいでした。ずっと言えずにいた一言でも、伝えてしまえばこんなにあっけないのかと、少しおかしくなりました。
「今度から、見たいときはちゃんと聞くね」
そう言って笑う友人に、私も自然と笑い返していました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














