「鍵を開けて。中に入れてくれ」生活音のたびに壁を叩く隣人。だが、突然の訪問に引っ越しを決意
壁を叩かれるようになった
妹とマンションで暮らし始めて間もないころのことです。夕食後、二人で話していると、突然、隣の部屋との壁から「ドン」と鈍い音がしました。
「今の、隣かな?」
最初は偶然だと思いました。しかし、少し大きな声で笑ったり、椅子を動かしたりすると、また壁が鳴ります。
一度だけ、何の音なのか確かめたくてこちらから壁を軽く叩いたことがありました。
するとすぐに、何度も強く叩き返され、壁越しに大きな声まで聞こえてきたのです。
それ以来、妹と私はできるだけ静かに暮らすようになりました。夜は声を抑え、物を置くときにも気をつけます。それでも、何かを落としたときなどに壁を叩かれることがありました。
管理会社へ相談することも考えましたが、「生活音の範囲だと言われたらどうしよう」「余計に相手を刺激したくない」という気持ちもあり、なかなか連絡できませんでした。
ただ、夜になると壁越しに何かをつぶやく声が聞こえることもあり、次第に自宅にいるのに落ち着かなくなっていきました。
玄関先まで来た隣人
決定的だったのは、ある夏の日です。
窓を少し開けたまま部屋でお香を焚いていると、インターホンが鳴りました。モニターを見ると、隣人が玄関の前に立っています。
ドアは開けず、そのまま応対しました。
「ベランダまで匂いがするんだけど。耐えられない」
私はすぐに謝ろうとしましたが、以前から隣人の洗濯物の、洗剤の匂いがこちらへ流れてくることを思い出し、つい口にしてしまいました。
「すみません。でも、そちらの洗剤の匂いも、うちまで入ってくることがあります」
すると、相手の声が急に低くなりました。
「鍵を開けて。中に入れてくれ」
「どうしてですか?」
「いいから、開けて」
私は怖くなり、それ以上返事をせず、妹と相談して管理会社へ連絡しました。
そして、このまま住み続けるのは難しいと考え、引っ越すことを決めたのです。
男性の声がすると静かになった
引っ越しの準備を始めてからも、荷物を動かす音がすると壁を叩かれることがありました。
そんな中で気づいたことがあります。
妹の交際相手が遊びに来て、男性の声が聞こえているときだけ、隣から壁を叩かれることがほとんどなかったのです。
偶然だったのかもしれません。それでも、私たち二人だけで過ごしているときとの違いが、かえって不気味に感じられました。
数日後、無事に荷物を運び出し、その部屋を離れました。
あのとき相手が何を考えていたのかは分かりません。ただ、玄関先で「中に入れて」と言われた瞬間に感じた怖さは、今でも忘れられません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














