「棚ではもう少し安かった気がする」会計で金額に戸惑った客。だが、店長が売り場を見て直したもの
レジに表示された金額を見て、客が止まった
販売の仕事をしていたころ、レジで商品の値段について確認を求められたことがあります。
ある日、男性のお客さんの商品を読み取ると、表示された金額を見て首をかしげました。
「あれ?これ、棚ではもう少し安かった気がするんだけど」
強い言い方ではありませんでした。ただ、本人は違う金額を見たつもりのようです。
「確認してきますね。少々お待ちください」
私は近くにいた店長に事情を伝え、売り場を確認してもらうことにしました。
少しして戻ってきた店長は、商品の値段自体はレジの表示で合っていると教えてくれました。
ただ、ひとつ気になることがあったそうです。
間違いではないけれど、分かりやすくもなかった
その商品が置かれていた棚には、よく似た別の商品が隣に並んでいました。
しかも、安いほうの商品の値札がすぐ近くにあり、ぱっと見ただけではどちらの価格なのか迷いやすい状態になっていたのです。
店長は男性に言いました。
「こちらの商品はレジの金額で合っています。ただ、売り場を見ると少し分かりにくかったですね。申し訳ありません」
すると男性も、少し表情をゆるめました。
「ああ、じゃあ俺が隣の値段を見たのかな」
「たぶんそうかもしれません。でも、あの並びだと間違えやすいですね」
店長がそう返すと、男性はしばらく商品を見てから、「じゃあ今日はこれでいいよ」と、そのまま会計をすることになりました。
私もほっとしながらレジを打ち直し、男性を見送りました。
客が帰ったあと、店長が売り場へ戻った
会計が落ち着いたあと、店長はもう一度その棚へ向かいました。
そして商品の位置と値札を少し整え、どの商品についている価格なのか分かりやすいように直していました。
「値段が間違ってなくても、見え方で勘違いさせちゃうことはあるからね」
戻ってきた店長がそう言ったのを覚えています。
最初、私は「レジの金額は合っているのだから、説明すれば終わる」と考えていました。
けれど、お客さんがなぜ違うと思ったのかまで確認してみると、売り場にも見直せる部分がありました。
男性も無理に値下げを求めていたわけではありません。ただ、自分が見たと思っていた値段と違ったため、確かめたかったのでしょう。
誰かが言い負かされることも、大きな騒ぎになることもありませんでした。
それでも、「相手が勘違いした」で終わらせず、理由まで確かめることの大切さを教えてもらった出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














