「どうしてあの場で言ってくれなかったの」義父の答えにくい質問。だが、近くにいた夫に感じた本音
親族の前では、何も言えなかった
親族が集まった席でのことです。私はまだ小さかった子どもを膝に乗せて、みんなの話を聞いていました。
すると義父が、笑いながらこちらを見ました。
「二人目はまだ?孫が増えたら、お年玉を渡す楽しみも増えるんだけどな」
義父にとっては、深い意味のない冗談だったのかもしれません。
近くにいた親族も少し笑って、そのまま別の話に移っていきました。
けれど私は、うまく笑えませんでした。
夫とは以前から「子どもは一人でいいね」と話していました。それだけに、隣にいる夫が何か言ってくれるのではないかと、一瞬だけ期待してしまったのです。
夫は黙ったままでした。
私もその場で「そういう話はやめてください」とは言えず、子どもの髪を整えるふりをして顔を伏せました。
腹が立ったというより、その場にいることが急に苦しくなったのを覚えています。
家に帰ってから、夫が口を開いた
帰り道も、私はそのことを自分から話しませんでした。夫もほとんど何も言わず、そのまま家に着きました。
玄関で上着を脱いでいると、夫がようやく言いました。
「さっきのことは気にしないで。あとで俺から言うよ」
私は少し黙ってから、「……うん」とだけ返しました。
本当は、「どうしてあの場で言ってくれなかったの」と聞きたかったのです。
でも、その日はもう親族の前で気を使い続けて疲れていました。そこから夫と話し合う気力まで残っていませんでした。
義父に言われた一言そのものより、自分が何も言えず、夫が代わりに言ってくれるのを待っていたことのほうが、あとになって心に残りました。
今は、その場で自分の言葉を返している
それから何年か経ち、今はもう夫とは別の暮らしをしています。義父母とも顔を合わせることはなくなりました。
離婚の理由が、あの日の出来事ひとつだったわけではありません。ただ、あのころの私は、嫌なことがあってもその場では黙り、あとから一人で考え込むことが多かったように思います。
今は少し違います。
先日も、職場でプライベートなことを何度も聞かれたとき、以前なら笑ってごまかしていたところを、私はその場で言いました。
「すみません、その話はあまりしたくないんです」
相手は少し驚いた顔をしましたが、「あ、ごめんね」と言って、それ以上は聞いてきませんでした。
言ってみれば、それだけのことでした。
声を荒らげなくてもいいし、相手を責める必要もありません。それでも、自分が嫌だと思ったところで線を引くことはできます。
子どもはもう、私の膝に乗るような年齢ではありません。
あの日のことを思い出すと、今でも少しだけ胸に引っかかります。それでも以前のように、「誰かが言ってくれれば」とは思わなくなりました。
自分のことなら、自分の言葉で伝えていい。今はそう思えるようになっています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














