「少しは給料上がったのか?」親戚のいつもの質問。だが、僕が言い返すと聞かれなくなった瞬間
集まるたび、最後は僕の仕事の話になった
親戚で集まると、なぜか最後は僕の仕事や収入の話になります。
ほかの家の子どもの進学や、家を買ったという話が一段落すると、その親戚がこちらを向くのです。
「で、仕事はどうなんだ?ちゃんとやれてるのか?」
「まあ、ぼちぼちです」
できるだけ軽く返しても、それで終わることはありませんでした。
「ぼちぼちじゃ困るだろ。まだ若いんだから、もうちょっと頑張らないとな」
悪気なく言っているのかもしれません。ただ、毎回のように言われると、さすがに疲れてきます。
ある正月には、お年玉の話にまで広がりました。
「甥っ子にも渡すんだろ?人数が増えると結構かかるぞ」
「まあ、そのへんは無理のない範囲で」
そう答えると、その人は少し笑って言いました。
「そうか。でも、お前ももう少し稼がないとな。お年玉で財布が空っぽになったら困るだろ」
周りに人もいたので、僕は「そうですね」と笑って流しました。
言い返したところで、正月の席が気まずくなるだけです。それ以上話したくない、という気持ちのほうが強くなっていました。
ところが後日、別の親戚と話していたとき、その人がお年玉についてこんなことを言っていたと聞きました。
「うちは少なめだけど、まあいいだろ。お年玉なんて人それぞれだし、比べるもんじゃないよ」
思わず「え?」と聞き返しました。
僕には「もっと稼がないと」と言っていた人が、自分のお年玉については「人それぞれ」と話していたのです。
少しモヤッとはしました。でも、その言葉自体は間違っていないと思いました。
「それ、僕もそう思います」と返した
次に親戚で集まったとき、案の定、その人はまた僕の仕事の話を始めました。
「最近どうなんだ?少しは給料上がったのか?」
いつもなら曖昧に笑って終わらせるところでした。
でも、その日は少しだけ言ってみようと思いました。
「そういえば前に、お年玉なんて人それぞれで、比べるものじゃないって言ってたそうですね」
相手が一瞬、きょとんとした顔をしました。
「ん?ああ……まあ、そんなこと言ったかな」
「僕、あれいい言葉だなと思ったんです」
そこで少し間を置いてから続けました。
「仕事も収入も、たぶん同じですよね。人それぞれですし」
怒って言ったわけではありません。
ただ、毎回同じことを聞かれてしんどかった気持ちは、少しだけ込めたつもりです。
相手は「ああ……まあ、そうだな」と言って取り皿に目を落としました。
それからすぐ、隣にあった料理の話に変わりました。
僕もそれ以上は何も言いませんでした。
それ以来、収入の話はされなくなった
その後も、親戚づきあいは変わっていません。
法事や正月には顔を合わせますし、会えば普通に「元気か」と声をかけられます。こちらも「元気ですよ」と返します。
ただ、仕事や収入について細かく聞かれることはなくなりました。
あの日、僕が言ったことで相手がどう思ったのかは分かりません。
でも、少なくとも「その話はあまりしたくない」ということは伝わったのだと思います。
今でも甥にお年玉を渡すとき、あの言葉を思い出すことがあります。
「人それぞれだから、比べるものじゃない」
誰がいくら渡したかより、無理のない範囲で気持ちよく渡せればそれでいい。
そして仕事や収入だって、本当は同じなのかもしれません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














