「今から行っても間に合いますか」電話の問い合わせで何度伝えても伝わらない回答。だが、伝える順番を変えた結果
同じ日に、同じところで話がずれた
医療事務として、受付の電話を取っていたころのことです。その日は片方の科が休診で、もう一方の科だけが診療していました。
そういう日は、診療時間や受診できる科についての問い合わせが続きます。
昼過ぎ、休診しているほうの科を受診したいという方から電話が入りました。
「今から行っても間に合いますか」
私は聞かれたことから答えました。
「受付は○時までです。ただ、本日はそちらの科は休診で、もう一方の科のみ診療しています」
すると返ってきたのは、こんな言葉でした。
「じゃあ、その時間までに行けばいいんですね」
どうやら受付時間の部分だけが伝わってしまったようです。私はもう一度、今日は担当の医師がいないため、その科では診察できないことを説明しました。
そこでようやく「あ、今日は診てもらえないんですね」と伝わり、電話は切れました。
ところがその日の終わり間際、別の方からも似た問い合わせが入りました。
今回も受付時間を先に伝え、そのあとに休診であることを説明すると、相手はやはり言いました。
「その時間までに行けばいいんですね」
同じ日に二度続き、私は少し気になりました。
こちらは必要なことを説明しているつもりです。それなのに、なぜ同じところですれ違うのだろう。帰るころになって、ようやく一つ思い当たりました。
私は聞かれた順番どおりに答えていたのです。「何時までですか」と聞かれれば、まず時間を答える。そのあとに休診を伝える。けれど相手にとって最初に耳に入った「○時まで」という情報が、そのまま答えとして残っていたのかもしれません。
翌朝、いちばん大事なことを先に伝えた
次の日から、私は説明する順番を変えてみました。
電話で受診について聞かれたら、時間を案内する前に一言だけ伝えます。
「先に一点だけお伝えします。本日はお休みの科がございます」
それから、どの科が診療しているのか、受付は何時までなのかを説明しました。
内容を増やしたわけではありません。前の日まで後ろに置いていた情報を、いちばん前に移しただけです。
すると相手の反応が変わりました。
「あ、そうなんですね」
まずそこで一度会話が止まり、それから「今日はどちらの科なら診てもらえますか」「では別の日にします」と、次の話へ進むようになったのです。
休診している科へ今から行きたいという話を、何度も説明し直すことも減りました。
「その言い方、分かりやすいね」
隣で電話を取っていた先輩がそう言い、自分の案内でも同じように、大事なことを先に伝えるようになりました。
説明が伝わらないと、つい「ちゃんと聞いてもらえなかった」と思ってしまいます。でも、同じ内容でも順番を変えるだけで届き方が変わることがある。
それに気づいてから、私は電話を取るとき、相手が最初に知る必要のあることは何かを考えるようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














