「こんなに響いてたのか」出発前にエンジンをかけていた父。だが、娘に言われてやめたワケ
父は出かける少し前に、車のエンジンをかけていました
家の前の駐車スペースには、父の車があります。
父には昔から、出かける少し前にエンジンをかける習慣がありました。夏は車内を冷やすため、冬は暖めるためです。
「乗ったとき暑いの嫌やろ」
そう言って、家を出る十分ほど前になるとエンジンをかけ、いったん家の中へ戻ってきます。
私たち家族も、それを特に気にしたことはありませんでした。
ある夕方、庭で洗濯物を取り込んでいたときのことです。隣の家の女性が庭に出ていて、父の車のほうを見ながらつぶやきました。
「今日もずっと鳴ってるねえ…」
強い口調ではありませんでした。ただ、その言葉を聞いて、私は初めて父の車を意識しました。
確かにエンジンはかかっています。しかし、自宅の中や庭では、それほどうるさいとは感じません。
隣家に近い側まで行くと、聞こえ方が変わりました
翌日、父がいつものように出かける前にエンジンをかけました。
私は気になって、自宅の敷地の中を隣家側まで歩いてみました。
すると、そこで初めて聞こえ方が変わりました。
低いエンジン音が途切れず続き、こちらの庭で聞くよりもずっと大きく感じます。隣家の窓にも近い場所でした。
父が出発したあと、私は昨日のことも含めて話しました。
「うちでは気にならないけど、隣のほうで聞くと結構響いてたよ」
父は少し意外そうな顔をしました。
「そんなに違うか?」
次に車を出すとき、父にも同じ場所まで来てもらいました。エンジンをかけた車から離れ、二人でしばらく音を聞きました。
父は黙ったあと、小さく言いました。
「こんなに響いてたのか」
それから、エンジンをかけるのは出発するときになりました
それ以降、父は早めにエンジンをかけて家の中で待つことをやめました。
車に乗り込んでからエンジンをかけ、そのまま出発するようになったのです。
誰かに直接注意されたわけでも、隣の家へ謝りに行ったわけでもありません。
隣の女性とも、顔を合わせれば以前と変わらず挨拶をしています。
父自身も、自分の家ではそれほど気にならない音が、少し離れた場所では大きく聞こえるとは思っていなかったのでしょう。
迷惑をかけるつもりがなくても、立つ場所が違えば感じ方まで変わることがあります。あのとき実際に聞こえる場所まで行ってみて、初めて気づけたことでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














