「今月ちょっと厳しくて」と繰り返す彼。だが、月末の家計簿で分かった、同棲生活の2万円の偏り
お願いの言葉が、月に3度になった
同棲していた彼とは、家賃も光熱費もきっちり折半していました。食費や日用品は、買い物をしたほうがいったん払う形です。
細かく決めなくても続いていたのは、結果的にお互い同じくらい出していたからだと思います。
そのバランスが少しずつ崩れ始めたのは、彼がお金を払う前に言葉を濁すようになってからでした。
「ごめん。材料代の1000円だけ、立て替えてもらっていい?」
「うん、それくらいならいいよ」
最初は特に気にしていませんでした。
ところが、その月は同じようなお願いが3度ありました。日用品を買ったときの800円も、結局私が払いました。
「今月、ちょっと厳しくてさ。ごめん」
申し訳なさそうに言う彼に、私は「分かったよ」と答えました。
一回ずつは大きな金額ではありません。だからこそ、そのたびに細かく言うのも嫌で、私も深く考えないようにしていました。
家計簿を見て、初めて気づいた
月末、いつものように家計簿をまとめていたときです。
材料代の1000円が3回。日用品の800円。それだけでなく、振り返ってみると、そのほかの食材や細かな買い物も私が払うことが増えていました。
全部を計算すると、その月は普段より2万円ほど多く私が負担していました。
「……こんなに違ってたんだ」
数字にしてみて、私自身が一番驚きました。
家賃と光熱費はいつも通り折半です。それでも、食費や日用品だけを見ると、いつの間にか私の負担がかなり大きくなっていました。
その日の夜、私は家計簿を食卓に置きました。
「ねえ、ちょっとこれ見てもらっていい?」
彼が隣からページをのぞき込みます。
「怒ってるとかじゃないんだけど、今月、私がこれくらい多く払ってたみたい」
彼はしばらく黙って数字を追っていました。
「え、こんなに?ごめん。そこまでだと思ってなかった」
「私も。千円とかだったから、その場ではあんまり気にしてなかったんだけど」
責めたいわけではありませんでした。ただ、このまま何となく続くのは嫌でした。
「来月からさ、最初に二人で同じ額を出さない?食費と日用品は、そこから払うようにしたら分かりやすいと思う」
彼は家計簿をもう一度見てから、うなずきました。
「うん、そうしよう。俺もそのほうが気をつけられると思う」
二人のお金を、最初に分けることにした
翌月、彼が小さな巾着を用意してくれました。
月の初めに二人で同じ額を入れ、食費や日用品はそこから払う。使ったあとのレシートも巾着に入れることにしました。
月の途中で残りが少なくなれば、二人で確認して同じ額ずつ追加します。
ある日、彼が巾着の中をのぞきながら言いました。
「そろそろ少なくなってきたね。今月、あといくらずつ入れる?」
「じゃあ、二人とも同じだけ足そうか」
「うん、それがいいね」
以前のように、どちらがいくら払ったのかを頭の中で覚えておく必要はなくなりました。
お金の話は、同棲していても少し切り出しにくいものです。それでも、何となく我慢するより、数字を一緒に見ながら話したことで、私たちは二人に合うやり方を見つけることができました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














