「こういうところって性格出るよね」1歳の息子を見て決めつけた女性。だが、ママ友が返した一言
赤い車に伸びた小さな手
その日は朝から雨だったので、ママ友と子育て支援センターで過ごすことにした。
息子は1歳になったばかり。歩けるようになってからは、気になるものを見つけるとすぐに近づいていく。
プレイルームに入ると、息子はさっそくおもちゃの置かれた場所へ向かった。
「今日も元気だね」
ママ友が笑う。
「ほんと、ずっと追いかけてるよ」
ママ友の子は息子より少しおとなしく、マットの上に座って木の車で遊び始めた。
しばらくすると、その子が持っていた赤い車を息子がじっと見つめた。
次の瞬間、小さな手が伸びる。
「あっ、それはお友だちが使ってるよ」
私は慌てて息子の手から車を受け取り、ママ友の子へ返した。
「ごめんね。赤いのが気になったみたい」
「大丈夫、大丈夫。全然気にしてないよ」
ママ友が笑ってくれたので、私も少しほっとした。
すると近くで自分の子どもを見ていた女性が、こちらを見ながら何気なく言った。
「こういうところって性格出るよね。欲しいものをすぐ取る子と、ちゃんと待てる子っているから」
誰かを責めるような口調ではなかった。
それでも、たった一度おもちゃに手を伸ばしただけで息子の性格まで決められたように感じて、私は返す言葉が見つからなかった。
「まだ1歳ですよね」
私が黙っていると、隣にいたママ友が少し困ったように笑った。
「でも、まだ1歳ですよね」
女性がこちらを見る。
「うちの子だって家では普通に取りますよ。今日はたまたま、この子が先に手を伸ばしただけだと思います」
「ああ、まあ……そうかもしれないね」
女性は少し驚いたようだったが、それ以上は何も言わず、自分の子どものほうへ視線を戻した。
ママ友もそれ以上責めることはなかった。
「ほんと、今の時期って取ったり取られたりだよね」
「うん。毎日そんな感じ」
そう話しているうちに、息子はさっきの赤い車のことなど忘れたように、別のおもちゃで遊び始めていた。
帰り支度をしながら、私はママ友に声をかけた。
「さっき、ありがとう。ちょっと引っかかったんだけど、何て言えばいいか分からなくて」
「いや、私も自分の子のことだったら気になったと思うよ」
「助かった」
「これから何回も取ったり取られたりするだろうしね」
その言葉に、私もようやく笑えた。
その夜、夫にも今日の出来事を話した。
「息子がお友だちのおもちゃを取っちゃったんだけど、それを見てた人に『性格が出る』って言われてさ」
「一回だけで?」
「うん。ちょっとモヤッとした。でもママ友が『まだ1歳ですよね』って言ってくれて」
「それなら救われるな」
もちろん、お友だちが使っているものを取ったときには、その都度伝えていきたい。
でも同時に、幼い子どもの一度の行動だけを見て、「こういう性格の子」と決めつけないことも大切なのだと思った出来事だった。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














