「猫、実家に預けることにしたんで」何か月も続く隣室の騒音。しかし、管理会社が示した契約書で状況が一変
何か月も続いていた、夜中のゲーム音
朝の職場で何度もあくびをしていると、隣の席の先輩が心配そうに声をかけてきた。
「最近ずっと眠そうだけど、ちゃんと寝てる?」
「それが…隣の部屋から、夜中の2時くらいまでゲームの声が聞こえるんです。もう何か月も続いてて」
「管理会社には相談したのか?」
「何度かしました。注意してもらうと数日は静かになるんですけど、また戻るんです」
隣の部屋には、20代くらいの男性が住んでいる。夜になるとゲームをしているようで、大きな声や手をたたくような音が壁越しに響いてくることがあった。
最近では、ベランダのほうから猫の鳴き声も聞こえる。私の住むアパートはペット禁止だったため、それも気になっていた。
話を聞いた先輩は少し考えてから言った。
「だったら、日付と時間を残しておいたほうがいい。いつ、どれくらい続いたのか分かるだけでも違うだろ」
2か月分の記録を管理会社へ持っていった
その晩から、声で目が覚めた日は日付と時刻をメモするようにした。猫の鳴き声が聞こえたときも記録した。
2か月ほどたつころには、夜中の2時前後に何度も音が続いていたことが分かる記録になっていた。
それを管理会社へ持っていくと、担当者は一通り目を通してから顔を上げた。
「ここまで続いていたんですね。何度もご連絡いただいていたのに、申し訳ありません」
「もう少し静かになればいいんですが…」
「こちらから、改めて契約内容に沿ってお話しします」
数日後の夕方、買い物から戻ると、隣の部屋の前にその担当者が立っていた。
ドアの前には、首にヘッドホンをかけた男性もいる。
担当者は契約書を開き、男性に該当する箇所を示しながら話していた。
「深夜に周囲へ響く騒音と、禁止されているペットの飼育について、改善をお願いします。このまま続く場合は、契約に沿って今後の対応を検討することになります」
男性は戸惑った顔をした。
「え…でも、そんなにうるさくしてないと思うんですけど」
「深夜の騒音については、これまでにも相談が入っています。ペットの件も含めて、お願いします」
担当者がもう一度落ち着いて伝えると、男性はヘッドホンを外し、契約書へ目を落とした。部屋の奥から猫の鳴き声が聞こえる。
「…わかりました」
そのとき、反対側の部屋のドアが少し開いた。中から様子を見ていた若い女性が、担当者へ小さく頭を下げると、静かにドアを閉めた。
次の週末、猫のキャリーを持った男性と廊下で行き合った。
男性は少し気まずそうに足を止めた。
「猫、実家に預けることにしたんで」
私は「そうなんですね」とだけ返した。
それから、夜中の大声で目を覚ますことはなくなった。
何か月ぶりかに目覚ましが鳴るまで眠れた朝、職場へ行くと、先輩が私の顔を見て笑った。
「今日はちゃんと目が開いてるな」
「久しぶりに朝まで眠れました」
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














