「返せないなら、そう言ってほしかった」お金を借りたまま既読無視した兄。だが、両親に事情を話した結果
給料日を過ぎても、返事がない兄
夜、自分の部屋で洗濯物をたたんでいると、めずらしく兄から電話がかかってきました。
「結婚式が続いてさ。ご祝儀で生活費がなくなったんだ。30万円、貸してくれないか」
突然のお願いに、私は驚きました。
「30万円?そんな大きなお金、すぐには決められないよ」
「給料日のあとには返すって。兄貴を信用できないのか」
「そういうわけじゃないけど…」
「家族なのに、ずいぶん冷たいんだな」
そう言われると、それ以上断ることができませんでした。私は給料日のあとに返すという兄の言葉を信じて、30万円を振り込みました。
ところが、給料日を過ぎても返済はありません。
心配になって、兄にメッセージを送りました。
「この前のお金、どうなってる?」
すぐに既読はつきましたが、返事は来ませんでした。
その後も返済について何度か連絡しましたが、既読になるだけで、兄からは何の説明もありません。
すぐに返せない事情があるのかもしれません。それなら、そう言ってほしいのです。
30万円という大きなお金を貸したのに、いつ返してもらえるのかも分からない。私は次第に不安になっていきました。
両親の前で、兄が黙った夜
ひとりではどうにもできないと思い、私は両親に事情を話しました。
次の週、両親は兄を実家に呼びました。
夜の居間で、父と兄が座卓をはさんで向かい合い、私と母も横に座りました。
兄は携帯電話をいじりながら、少し不満そうに言いました。
「何だよ、急に呼び出して」
母が口を開きました。
「30万円のこと、ちゃんと話しておいたほうがいいでしょう」
すると兄は、顔を上げて答えました。
「分かってるよ。忙しくて、返事できなかっただけだって」
私は自分の携帯電話を取り出し、兄に送ったメッセージの画面を見せました。
「でも、既読はついてたよね。返事がないから、ずっと心配してたんだよ」
「だから、忙しかったんだって」
「返せないなら、そう言ってほしかった。何も連絡がないと、どうしたらいいか分からないよ」
兄は何か言いかけましたが、そのまま口を閉じました。
そこで、父が兄に向かって言いました。
「給料日のあとに返すと約束したんだろう。それを守れなかったなら、自分から連絡するべきじゃないのか」
「……まあ、それはそうだけど」
「一度に返せないなら、毎月いくらずつ返すか決めなさい。わしも確認するから」
「いや、でも、今月はちょっと……」
「約束を先に破ったのは、お前のほうだ。返すつもりがあるなら、きちんと話をしなさい」
兄は母のほうを見ましたが、母も静かにうなずくだけでした。
しばらく黙っていた兄は、携帯電話を膝の上に置き、小さくうなずきました。
その後、次の月から兄は毎月少しずつお金を振り込むようになりました。
父も毎月、兄に電話をかけて返済を確認してくれています。
父にお礼を伝えると、電話口でこう言われました。
「礼はいらん。あいつが最後まで払うのを、わしが見届ける」
兄からの返済が始まり、ひとまず安心しました。
ただ、今回のことで、家族だからといって口約束だけで大きなお金を貸すのはよくないと痛感しました。
これからは、たとえ家族同士でも、お金の貸し借りは書面に残そうと決めています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














