「ここまで育ててやったのに、3万円も貸せないの?」3年前からお金を借り続ける母。だが、私の開いた3年分のノートを前に黙った瞬間
「親子なんだから」と笑った母。私がノートをつけ始めた理由
私は働きながら、アパートで一人暮らしをしています。
母は月に一度ほど私の部屋を訪ねてきますが、用件はたいていお金のことでした。
始まりは3年前です。
母の職場で給料のトラブルがあり、私は貯金から10万円を貸しました。
毎月5千円ずつ返す約束でしたが、返済があったのは最初の2か月だけ。
3か月目に返済のことを尋ねると、母は笑いながら言いました。
「親子なんだから、そんなに急がなくてもいいじゃない」
その言葉に、私は何も言い返せませんでした。
ただ、このままでは貸したお金も約束も曖昧になってしまう。
そう思い、その晩からノートをつけ始めたのです。
貸した日と金額、返してもらった日と金額。
さらに、母がいつまでに返すと言ったのか、その言葉も書き残しました。
その後も母は、車の修理や親戚のお祝いを理由に、3万円を2回借りていきました。
2回目に貸したときも、母は私から封筒を受け取ると、軽い調子で言いました。
「今回だけだから。来月には必ず返すね」
しかし、それから半年が経っても、追加の返済はありませんでした。
母から届くのは、またお金を貸してほしいという頼みごとばかり。ノートには約束の記録が残っているのに、返済の欄は増えないままでした。
「育ててやったのに」母の前に置いた3年分の記録
そんなある日、母がいつものように私の部屋へやってきました。
小さなテーブルを挟んで向かい合うと、母はさっそく今月もお金を貸してほしいと言い出しました。
ですが、私の貯金ももうわずかです。これ以上貸せば、自分の家賃さえ危うくなります。
「ごめん、お母さん。今月は貸せないよ」
すると、母の表情が険しくなりました。
「えっ、なんで?」
「ここまで育ててやったのに、3万円も貸せないの?」
そう言ってテーブルに手をつき、身を乗り出しました。その拍子にマグカップが小さく揺れます。
「だって、前に貸した3万円だって、まだ返してもらってないよ」
「何よ、それ。親に向かって、よくそんなこと言えるわね!」
母の声が大きくなりました。
以前の私なら、ここで黙っていたと思います。でも、もう同じことを繰り返したくありませんでした。
私は引き出しからノートを取り出し、母の前で開きました。
「お母さん、これ見て。今まで貸したのは全部で16万円。返してもらったのは1万円だけ。まだ15万円残ってるんだよ」
母は何も言わず、ノートに目を落としました。
「それに、ここ。半年前に『来月には必ず返す』って言ってたよね。私、ちゃんと書いてあるから」
母はページをめくり、指で一行ずつ確認していました。
「……親子なのに、こんなものつけてたの?」
ようやく出てきたのは、その一言でした。
「うん。私も、もう曖昧にしたくなかったの。これ以上は貸せないよ。まずは借りた分を返してほしい」
母は何か言いかけましたが、結局、言葉にはなりませんでした。
うつむいたまま両手を組み、しばらく黙っています。目のふちは赤くなっていました。
やがて母は静かに立ち上がり、かばんを持って玄関へ向かいました。
結局、その日は返済についての具体的な話はできませんでした。
ドアが閉まったあと、私はもう一度ノートを開き、新しい行に今日の日付を書きました。
金額の欄は、空けたままにしておきました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














