「残り物をよこせ!」注意を無視して他人の皿へ手を伸ばす男性客…店員が席へ戻るよう告げると顔色が変わった
ドリンクバーだけの客が、別の席へ
ドリンクバーだけを注文した客が、夕食時まで席に残ります。
ファミリーレストランでアルバイトをしていた頃の話です。
平日の昼過ぎ、男性が一人で来店しました。窓際のソファー席に座り、注文したのはドリンクバーだけでした。
それ自体は珍しいことではありません。しかし、夕食時になって店がほぼ満席になっても、男性は席を離れませんでした。
私が料理を運んでいると、その男性が席を立つのが見えました。ドリンクバーとは反対の方向へ歩いていきます。
「あちらの席へ?」
不思議に思って目で追うと、男性は別のお客様が帰ったばかりのテーブルへ向かっていました。
別の客が残した料理へ、男性が無断で手を伸ばします。
男性は片付け前の皿に手を伸ばし、残っていたおかずをつまんで口へ運んだのです。
もちろん、男性が注文した料理ではありません。
驚いた私は急いで近づき、声をかけました。
「お客様、そちらは別の方のお皿です」
男性は振り向きましたが、悪びれる様子もありません。
「どうせ捨てるんでしょ?」
そう言って、まだ皿に手を伸ばそうとします。
私は再度、他のお客様の料理には触れないようお願いしました。すると、男性は不満そうな顔をしながらも、自分の席へ戻っていきました。
食べ物がもったいないという理由でも、他のお客様が残した料理を勝手に食べていいわけではありません。衛生面でも問題があります。
注意のあとも同じ行動が続き、店員の仕事を妨げます。
私はすぐに店長へ状況を報告しました。
店長とも相談し、再び同じことをした場合には注意し、それでもやめなければ店長から直接対応してもらうことになりました。
ところが、しばらくすると男性は再び席を立ちました。
別のテーブルからお客様が帰ったのを見て、そちらへ向かったのです。
男性は先ほどと同じように、片付け前の皿へ手を伸ばしました。
私は急いで男性のもとへ向かいました。
「さっきお伝えしました」
男性は一瞬こちらを見ましたが、皿から離れようとしません。
料理の提供や片付けをしながら、男性がまた同じ行動をしないか気にしなければならず、ほかの仕事にも支障が出始めていました。
『もったいない』では済まない理由
店員は他人の皿には触れないよう、本人に明確に告げます。
私は男性の手元が見える位置に立ち、片付け前の皿を指しました。
他のお客様が注文し、食べ終えたあとの料理です。店としても、勝手に食べる行為を見過ごすわけにはいきません。
「他のお客様の皿には触れないでください」
すると、男性は突然声を荒らげました。
「残り物をよこせ!」
その大きな声に、近くの席のお客様たちが一斉にこちらを振り向きました。
私はそれ以上男性が料理に触れないよう、皿を下げました。
騒ぎに気づいた店長も、こちらへ近づいてきました。
男性はまだ不満そうでしたが、周囲のお客様から注目されていることに気づいたのか、先ほどまでの勢いが少し弱まりました。
男性は言い返せず手を引き、自分の席へ戻ります。
「お席でお待ちください」
私は落ち着いた声で、男性に自分の席へ戻るようお願いしました。
男性は顔色を変え、何か言いかけましたが、近くに立つ店長と周囲のお客様の視線に気づくと、口を閉じました。
注意を受けたにもかかわらず、同じ行為を繰り返していたのです。このまま続けば、店長から退店をお願いすることにもなりかねません。
「……分かったよ」
男性は不満そうにつぶやき、ようやく自分の席へ戻っていきました。
その後、店長が男性の席へ行き、他のお客様の料理には触れないこと、同じ行為が続けば店の利用をお断りする場合があることを説明しました。
男性は店長の話を黙って聞き、それ以上言い返すことはありませんでした。
店員は見張りを終え、片付けと次の案内に戻ります。
私は皿を下げ、次のお客様を迎えるためにテーブルを整えました。
男性はその後、別の席へ近寄ることもなく、しばらくして店を出ていきました。
店長にも状況を確認してもらえたことで、私もようやく通常の仕事に戻ることができました。
「こちらのお席へどうぞ」
待っていたお客様を案内しながら、私は少しほっとしました。
食べ物を無駄にしたくないという考えは理解できます。しかし、それを理由に他人の料理を勝手に食べることは許されません。
最初の注意ではやめてもらえませんでしたが、店長と連携して対応したことで、ようやく行為を止めることができました。
接客の仕事では、相手に失礼のないよう気を配ることも大切です。それでも、ほかのお客様やお店に迷惑がかかる行為に対しては、きちんと注意する必要があるのだと実感した出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














