「子どもなんやから、ちょっとくらいええやん」ホテルのバイキングで走り回る子どもたち。だが、母親の反論にスタッフが返した言葉
笑い合う母親たちと走る子どもたち
妻と娘を連れて、ホテルのバイキングに行った夜のことです。
料理を取って席に戻ると、隣の大きなテーブルでは、ママ友同士らしい3家族が食事をしていました。
母親たちと、小学生くらいの子どもたちが一緒です。
最初は少しにぎやかなくらいで、特に気にはなりませんでした。
ところが、母親たちがおしゃべりに夢中になるうちに、子どもたちが靴のままいすに立ったり、テーブルの周りを走ったりし始めたのです。
そのうち追いかけっこは料理台の近くまで広がり、皿を持って歩いていた客が、あわてて身をよける場面もありました。
母親の1人も気づいたようですが、声をかけただけでした。
「ケガせんようにね〜」
それだけ言うと、またおしゃべりに戻ってしまいます。
「元気があってええやんなあ」
「ほんまほんま」
周囲の客が困った顔をしていても、気にしていない様子でした。
私は娘を膝にのせながら、子どもたちの動きが気になって仕方ありませんでした。
近くではスタッフが湯気の立つ鍋を運んでいます。もし子どもとぶつかったら、大変なことになりかねません。
母親の反論にスタッフが返した言葉
しばらくして、走り回っていた子どもたちがテーブルに戻ってきました。
ジュースを飲もうと、今度はいすの上に膝立ちになっています。
そこへ男性スタッフがやってきて、母親たちに声をかけました。
「お食事中に失礼いたします。先ほどからお子さまたちが料理台の近くを走っていらっしゃいまして……」
母親たちが顔を上げると、スタッフは続けました。
「熱いスープや鉄板を運ぶこともありますので、走らないようにお願いできますでしょうか」
すると、母親の1人が少し不満そうに言いました。
「子どもなんやから、ちょっとくらいええやん」
スタッフは落ち着いた声で答えました。
「そうですね。お子さまですから、つい走ってしまうこともあると思います。ただ、熱いものにぶつかって、やけどをされると大変ですので…」
そして、母親たちの顔を見ながら、こう続けました。
「恐れ入りますが、お席で過ごせるように、保護者の方からもお声がけいただけますか」
母親たちは顔を見合わせ、黙ってしまいました。
言い返した母親も何か言いかけましたが、それ以上は何も言いませんでした。
スタッフは子どもたちのそばにしゃがみ、目線を合わせて話しかけました。
「ここは熱いものもあるから、走ると危ないんだ。座って食べようね」
子どもたちは小さくうなずき、いすに座り直しました。
ふと見ると、通路の向こうのテーブルにいた年配の夫婦も、静かにうなずいていました。
それから母親たちは、先ほどまでとは違い、子どもたちの様子を何度も気にするようになりました。
「パパ、あの人すごいね」
膝の上にいた娘が、小さな声で言いました。
私は「そうだね」と答えながら、うなずきました。
子どもだから走ってしまうことはあると思います。だからこそ、大人が気をつけてあげる必要があるのでしょう。
隣のテーブルからは、もう先ほどのような大きな声は聞こえてきませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














