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2026.10.29(Thu)

「上の方、いらっしゃいますよね?」何度断っても引き下がらない営業電話。困り果てた私の前に社長が現れた結果

「上の方、いらっしゃいますよね?」何度断っても引き下がらない営業電話。困り果てた私の前に社長が現れた結果

切ったはずの電話がまた鳴る

以前、事務員として働いていた小さな会社での出来事です。

その日の昼、事務所にいたのは私と社長の二人だけ。私は手前の席で仕事をし、社長は奥の席で書類を広げていました。

そんなとき、代表電話が鳴りました。

受話器を取ると、男性が会社名を名乗り、すぐに商品の説明を始めました。

「御社のような会社さんにこそ、ぜひ聞いていただきたくて」

どうやら営業電話のようです。私は話の切れ目を待って、お断りしました。

「せっかくですが、うちでは必要ありませんので」

ところが、男性は構わず説明を続けます。こちらが断っていることなど、まるで聞こえていないようでした。

しばらくして、私はもう一度伝えました。

「申し訳ありませんが、お電話切らせていただきます」

そう言って受話器を置き、ようやく仕事に戻ろうとした、その数秒後。

また電話が鳴りました。

表示された番号を見ると、先ほどとまったく同じです。

恐る恐る受話器を取ると、聞き覚えのある声がしました。

「どうも、先ほどの者です。お話の途中でしたので」

男性は何事もなかったかのように、再び商品の説明を始めました。

私は困りながらも、できるだけ丁寧に対応しようとしました。

「先ほども申し上げましたが……」

ところが、言い終わらないうちに男性が声をかぶせてきたのです。

「ですから、あなたじゃ話にならないんですよ。上の方、いらっしゃいますよね?」

その言葉に、思わず黙ってしまいました。

私には決定権がないと、最初から決めつけられているようでした。こちらは何度も必要ないと伝えているのに、まったく取り合ってもらえません。

「お取り次ぎはいたしかねます。失礼いたします」

私はそう告げて、再び電話を切りました。

しかし、間もなくまた同じ番号から電話がかかってきたのです。

鳴り続ける電話を前に、私は受話器を取ることさえためらってしまいました。

最後に受話器を取った社長の一声

そのとき、奥の席で椅子を引く音がしました。

社長が立ち上がり、私の席まで歩いてきたのです。

「代わるよ」

社長はそう言うと、私の机の横に立って受話器を取りました。

私は座ったまま、その様子を見守っていました。

社長は相手の話を少し聞いてから、落ち着いた声で答えました。

「はい、私が社長です。担当の者がお断りしたとおり、うちでは必要ありません」

その言葉を聞いた瞬間、私は思わず社長の顔を見上げました。

社長は私が断ったことを、そのまま会社の返事として受け止めてくれたのです。

男性が何と返したのかは聞こえませんでしたが、社長は少し間を置いてから続けました。

「何度お電話いただいても、お答えは同じです。失礼いたします」

声を荒らげることもなく、社長は静かに受話器を戻しました。

さっきまで何度も鳴っていた電話が止まり、事務所に静けさが戻ってきました。

「次から、しつこいのが来たら、すぐ呼んで」

そう言って奥の席へ戻っていく社長に、私は笑ってうなずきました。

あれほど強引だった営業電話も、それきりかかってくることはありませんでした。

何よりうれしかったのは、社長が私の対応を否定せず、きちんと尊重してくれたことです。

電話に出ていたときの嫌な気持ちが、少しずつ薄れていくのを感じました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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