「ネットに全部書くからね」支払い期限を守らず逆ギレする客。だが、上司が録音の事実を伝えると、急に声が小さくなった
支払い期限を過ぎた客からの苦情電話
以前、コールセンターで働いていたときの出来事です。
ある日の昼ごろ、車に関するサービスが使えなくなったという客から電話がありました。
確認すると、代金が支払い期限までに入金されておらず、規定に従ってサービスが停止されていました。
「申し訳ございません。お支払いの期限を過ぎておりますので、現在はサービスをご利用いただけない状態です」
そう説明すると、客は不満そうな声を上げました。
「いや、だから少し遅れただけでしょう?何とかならないの?」
「恐れ入りますが、期限を過ぎた場合は、どのお客様にも同じご案内をしております」
「そこを何とかするのが仕事でしょう。もっと柔軟な対応をしろよ!」
何度説明しても納得してもらえず、同じやり取りが続きました。
私もできる限り丁寧に対応しましたが、規定を変えることはできません。
ようやく電話が終わり、ほっとしたのも束の間。
今度は、客が今回のサービスとは関係のない役所に苦情を入れていたことが分かりました。
役所から本社へ連絡が入り、その内容が私にも共有されたため、改めて客へ電話をかけることになったのです。
何度も怒鳴っていた客が、上司の説明で態度を変えた
ところが、折り返しの電話でも客の怒りは収まりませんでした。
「役所にも話したんだから、そっちもちゃんと対応してよ」
「ご連絡いただいた件は承知しております。ただ、お支払いの期限につきましては、ご契約で決められておりますので…」
「もういい!そんな対応するなら、ネットに全部書くからね。担当者の名前も出してやる!」
こちらの説明を最後まで聞いてもらえず、電話は一度切れても、またかかってきました。
そのたびに同じ要求を繰り返され、気づけば半日以上、この客への対応に追われていました。
再び電話が鳴ったとき、様子を見ていた上司が私の席に来ました。
「代わろう。ここからは俺が話すよ」
上司はヘッドセットを引き継ぎ、落ち着いた声で対応を始めました。
「お電話代わりました。責任者の者です。これまでのお話は確認しております」
相手が何か言っているようでしたが、上司は慌てずに話を聞いています。
そして、こう伝えました。
「一点、お伝えしておきます。これまでのお電話はすべて録音しておりまして、ご案内した内容も記録に残っております」
少し間を置いて、上司は続けました。
「ネットに書き込まれるのはお客様のご判断ですが、事実と異なる内容や担当者への中傷があった場合には、会社として対応を検討することになります」
すると、上司はしばらく相手の話を聞いたあと、「そういうおつもりではなかったんですね。承知しました」と静かに返しました。
先ほどまでとは明らかに違う、落ち着いたやり取りになっていました。
上司は最後まで丁寧に対応し、電話を終えました。
「最後は急に声が小さくなって、『そういうつもりじゃなかった』って言ってたよ」
その言葉を聞いて、私はようやく肩の力が抜けました。
隣の席で様子を見ていた同僚も、ほっとした表情をしていました。
結局、その客から電話がかかってくることは、それきりありませんでした。
上司は私の肩を軽くたたきました。
「半日、よく頑張ったな」
その一言に救われた気がして、私は小さく「ありがとうございます」と答えました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














