「安くしろよ」惣菜の量が少ないとレジ台をたたいた客。だが、店長が量りで確認すると、急に黙り込んだ
夕方のスーパーで突然響いた怒鳴り声
半年前の休日の夕方、私は夕飯の材料を買いにスーパーへ寄りました。
店内は買い物客で混み合っていて、レジには10人ほどの列ができていました。
私も列の後ろのほうに並んだのですが、少し気になる男性がいました。
私の2人前にいた男性です。
手には惣菜のパックをひとつだけ持ち、何度も持ち上げては中身を確認していました。
やがて男性の順番になると、パックをレジ台に置き、若い女性店員に声をかけました。
「これ、昨日買ったのより少なくない?」
店員がパックに目を向けると、男性は続けて言いました。
「同じ値段なんだろ?安くしろよ」
店員は少し困った表情を浮かべながらも、丁寧に答えました。
「申し訳ありません。こちらは決まった重さで詰めている商品なので、お値引きはできないんです」
すると、男性の表情が険しくなりました。
「いや、どう見ても少ないだろ!」
店員が返答に困っていると、男性は突然、拳でレジ台を強くたたいたのです。
「客を騙してるのか!店長を呼べ!」
大きな音と怒鳴り声に、周囲の客も驚いて振り返りました。
私の後ろに並んでいた親子連れの母親は、子どもの肩を引き寄せていました。
店員は涙目になりながら、インカムで店長を呼びました。
量りの表示を見て黙り込んだ男性
まもなく、男性の店長がやってきました。
店長は店員から事情を聞いたあと、男性の話にも耳を傾けました。
「昨日買ったやつより少ないんだよ。同じ値段じゃおかしいだろ」
男性が不満を伝えると、店長は落ち着いた声で答えました。
「そうでしたか。では、一度重さを確認させてください」
「おう、量ってみろよ」
男性は腕を組み、店長の動きをじっと見ていました。
店長はレジの横にある量りにパックを乗せ、容器の重さを差し引いて中身の重さを確認しました。
表示された数値は、パックのラベルに書かれた内容量と一致していました。
「こちらですね。表示されている重さと同じです」
店長がラベルと量りの数字を示すと、男性は腕をほどき、表示に顔を近づけました。
何度か数字を見比べていましたが、何も言いません。
店長はさらに続けました。
「昨日の商品については確認できませんが、こちらは表示どおりの重さがあります」
先ほどまで大声を出していた男性は、すっかり黙り込んでしまいました。
周囲の客も、男性の様子を静かに見ていました。
しばらくして、店長が声をかけました。
「お値段はこのままになりますが、お会計はどうされますか?」
男性は小さくうなずくと、黙って財布を取り出しました。
そのまま代金を支払い、袋を乱暴につかむと、誰とも目を合わせずに出口へ向かっていきました。
店長が店員の肩にそっと手を置くと、店員は目元をぬぐい、次の客に向かって頭を下げました。
「お待たせいたしました」
ようやくレジの列が動き始めました。
昨日買った商品との違いまでは分かりません。それでも、目の前の商品を実際に量って確認したことで、男性もそれ以上は何も言えなくなったようでした。
怒鳴り声にも動じず、落ち着いて対応した店長の姿が印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














