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2026.10.24(Sat)

「受付で聞いてくれてたら早かったのに」患者さんの長話を切り上げた私。診察後、医師に指摘されて赤面した理由

「受付で聞いてくれてたら早かったのに」患者さんの長話を切り上げた私。診察後、医師に指摘されて赤面した理由

受付を早く回すことが自慢だった私

整形外科の病院で受付をしていたころ、私は患者さんを手際よく案内することに自信を持っていました。

問診票をお願いしながら、必要なことだけを手短に確認して次の方へ。

待っている患者さんを少しでも早く案内するのが、自分の仕事だと思っていたのです。

ある日の昼、以前から定期的に通ってくださっている女性の患者さんが、久しぶりに来院されました。

私はカウンターから問診票を手渡し、いつものように声をかけました。

「お久しぶりですね。今日はどうなさいました?」

「それがね、娘とちょっと遠くまで出かけたのよ。張り切って歩いちゃってね」

患者さんは身を乗り出すようにして、楽しそうに話し始めました。

途中で見た景色のことや、娘さんと食べたもののこと。話はなかなか終わりません。

私も笑顔でうなずいていましたが、後ろには受付を待つ人の列ができています。

正直なところ、私は少し焦っていました。

(お出かけの話より、どこが痛いのか教えてほしいな…)

そんなことを考えながら、話の切れ目を待っていたのです。

「それでね、帰りがまた坂道で大変だったのよ」

「そうだったんですね。それで、痛いのは膝ですか、腰ですか?」

私が尋ねると、患者さんは膝をさすりました。

「ああ、膝ね。膝が痛くて」

「では膝で、先生にお伝えしておきますね」

私は問診票に「膝」とだけ書き添え、患者さんを診察室へ案内しました。

受付の列も順調に進み、私は今日も手際よく仕事ができたと思っていました。

診察後、先生に言われた一言

しばらくして、書類を届けるために診察室の前の廊下へ出たときのことです。

ちょうど先生がカルテを手に出てきて、私を見ると苦笑いを浮かべました。

「さっきの膝の患者さん、受付で何か話してなかった?」

「はい。娘さんとお出かけされた話を、ずいぶん長くされていましたけど…」

「やっぱりね。診察室で聞いたら、帰りの坂道で膝をひねったんだって」

「えっ、そうだったんですか?」

驚く私に、先生はカルテを軽くたたきながら言いました。

「遠くまで歩いたことも、坂道の話も、痛くなった状況を知る手がかりだったんだよ。受付で聞いてくれてたら早かったのに」

その言葉を聞いた瞬間、顔が熱くなりました。

患者さんは最初から、痛みにつながるかもしれない出来事を話してくれていたのです。

それなのに私は、ただの世間話だと決めつけ、肝心な部分を聞こうとしていませんでした。

「すみません…。お出かけの話だと思って、途中で切り上げちゃいました」

「うん。話が長い方ほど、ちゃんと聞いたほうが早いこともあるんだよ」

先生は穏やかにそう言って、診察室へ戻っていきました。

私は恥ずかしさでいっぱいでした。早く受付を済ませたつもりが、診察に役立つ情報を伝えられていなかったのです。

それ以来、私は患者さんの話を最初から世間話だと決めつけないようになりました。

次にあの患者さんが来られたときも、メモを取りながら最後まで話を聞きました。

気づけば、問診票の余白は私のメモでいっぱいになっていました。

受付を早く回すことだけが、いい仕事ではない。あの日の先生の一言は、今でも忘れられません。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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