
飲食店の子連れ入店制限を巡り、差別とする声と店の権利とする声が対立。経営面やマナーの観点から考察
お気に入りのレストランへ足を運んだ際、店頭に掲げられた「未就学児の入店はご遠慮ください」という案内を目にしたことはないでしょうか。せっかくの家族の時間を否定されたように感じてショックを受ける人がいる一方で、静かな空間を求める層からは歓迎の声も上がっています。この問題は古くからSNSやネット掲示板で繰り返される議論の種ですが、単なる感情論ではなく、飲食店の存続に関わるシビアな経営判断という側面が見え隠れしています。
飲食店コンサルタントの小倉朋子さんによれば、店側が入店制限に踏み切る大きな要因は「売り上げの確保」と「環境の維持」に集約されるといいます。一般的に、小さな子どもを連れたグループは、親が世話に追われることで食事の時間が長くなりがちです。これに加えて子ども向けメニューは低価格に設定されることが多く、大人と同等の席を占有しながらも客単価と回転率が同時に下がるという、経営上のリスクを抱えることになるのです。
SNS上では、
『飲食店が提供しているのは飲食物だけではありません。サービス、空間、雰囲気、様々なものを提供しています。当然、子供がいるとぶち壊しになる、と判断されるものもあります』
という意見は、まさに空間価値にお金を払う利用客の本音を代弁していると言えるでしょう。また、
『子ども用メニューがない、トイレが狭くてオムツ替えスペースがないなどお店側の事情がある。それを知って来る客にとっては、店内に響き渡る子どもの泣き声はガッカリだろう』
と、店側の設備不足を理由に挙げる冷静な指摘も見受けられました。
一方で、親側のマナー不足が店を頑ななルール作りに走らせているという厳しい見方もあります。
『出禁処置は全て、消費者の無責任がきっかけかと考えます。子供が店や他の客に損害行為しても、子供がやった事だからと、一切の責任を取らないことも理由の一つ』
という声には、多くの現場スタッフが頷くはずです。もちろん、すべての子連れ客がマナーに欠けるわけではありませんが、一部のトラブルが引き金となり、一律の制限を設けざるを得ないのが現状のようです。
店側も決して一方的に拒絶したいわけではなく、表現に工夫を凝らしています。
「小学生以下お断り」という否定的な言葉を避け、「12歳以上からご利用いただけます」と対象を明確にする手法や、ランチタイムのみ開放するといった「時間と空間のすみ分け」で成功している事例も多いといいます。














