tend Editorial Team

2026.05.08(Fri)

「先輩を連れてくるから」遠距離の彼との待ち合わせに現れた年の離れた男。20年後、思わぬ形で再会した

「先輩を連れてくるから」遠距離の彼との待ち合わせに現れた年の離れた男。20年後、思わぬ形で再会した

改札の前に並んだ二人、片方だけが明らかに浮いていた

10代後半だった頃、隣県に住む同年代の彼と遠距離で付き合っていました。

会えるのは月に一度ほどでしたが、当時の私には十分でした。

ある日、彼から弾んだ声でメッセージが届いたのです。

「友達と一緒に四人で会わないか」。

私はすぐに仲のよい友人に声をかけ、待ち合わせの駅へ向かいました。

「先輩を連れてくるから」

その一言が前日に届いていたのは覚えています。

けれど、改札を抜けて彼の姿を確認した瞬間、私の頭は真っ白になりました。

彼の隣にいたのは、明らかに一回り以上年上の男性だったのです。

腹の出た体つき、薄くなった髪、深い目尻のしわ。学生の自分たちとは住む世界が違う雰囲気でした。

友人の手が私の腕をつかむのを感じました。

けれど引き返す勇気もなく、彼に手を振ることしかできなかったのです。

彼は何の屈託もなく、その先輩を私たちに紹介しました。

あくまで朗らかな声色で、悪意のかけらも見えなかった。それがいっそう怖かったのです。

食事の席で、私は彼の感覚にじわじわと幻滅していきました。

友人を年齢のかけ離れた相手にあてがう発想を、彼は不思議に思っていない様子だったのです。

次に会う約束を取りつける気には、もうなれませんでした。

調査の仕事中に流れてきた一行

20年以上の歳月が流れました。

私は調査関係の仕事に就いていて、依頼に応じて個人情報を整理する立場で働いていたのです。

ある朝、新しい対象者のリストを開いた瞬間、私は手元のマグカップを置く動作を止めました。

並んでいた氏名と生年月日に、強烈な既視感があったのです。

共通の知人を介して別れたきり、20年以上連絡をしていなかったあの彼でした。

同姓同名の偶然を疑い、紐づいた情報をひとつずつ確認していきました。

学歴・出身地・最終勤務先。すべて、彼の口から聞いたことのある内容と一致したのです。

(本人だ)

住所欄に印字されていたのは、付き合っていた頃に何度も話題に出ていた実家の地名でした。

婚姻歴の項目は空欄のまま。同居家族には、ご両親の名前。50代を間近にした彼は、20年経っても同じ場所に立っていたのです。

仕事ですから、感情を入れずにデータを整える作業を続けました。

けれど画面を閉じたあと、肩のあたりに重たい寒気が残っていたのを覚えています。

あの日のダブルデートで、もし違和感を呑み込んで関係を続けていたら。

中年男性を平気で連れてくる感覚の人と、私は何年一緒にいたのだろう。考えるほどに、コーヒーを淹れ直しても指先の冷たさが取れなかったのです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.11.05(Thu)

「お金の管理は得意なの!」幼稚園のバザーで会計係に立候補したママ友。だが、売上の集計で発覚した思わぬミス
tend Editorial Team

NEW 2026.11.05(Thu)

「うちの子に何かしたわけじゃないですよね?」転んだ男の子を助けた私。母親の疑いを晴らした、子供のひと言
tend Editorial Team

NEW 2026.11.05(Thu)

「土地代かなり安いよね」新築の家を見てもいないのにけなすママ友。だが、実際に訪れたママが話し始めた結果
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.03.10(Tue)

キングコング西野亮廣が鳴らす警鐘の違和感と堀江貴文氏への「詐欺師」呼称が孕むSNS時代の法的リスクと限界
tend Editorial Team

2026.02.19(Thu)

「汚いから触らないで!うわ、キモい!」と言い方がキツいママ友。だが、子供の無垢な一言に態度が一変
tend Editorial Team

2025.09.29(Mon)

「もう絶対に悪い道には戻りません」へずまりゅう氏、祖父の逝去を報告し「日本を外国人から守り明るくしていく」と決意表明
tend Editorial Team