「実はもう3年付きまとわれてたの」ラウンジに遅くまで残っていた後輩。だが、理由を聞いた結果、最悪な事実を知った
深夜のラウンジに残る一人の後輩
博士課程まで進んだ研究室で、一人の女子後輩が夜遅くまでラウンジに残るようになりました。
控えめで真面目で、誰にでも丁寧に接する後輩です。
論文の追い込み時期でもないのに、いつ通ってもラウンジの明かりの下にいる。
集中している様子でもなく、ただ椅子に座って人の気配を確かめているようにも見えました。
気になって、温かい飲み物を差し入れがてら声をかけたのです。
最初はぽつりぽつり、研究の話をしてくれました。
けれど話が一段落したところで、彼女はマグカップを両手で包んだまま、視線を落としたのです。
「実はもう3年付きまとわれてたの」
その短い一言の重さに、私は座り直しました。
3年の間ずっと、誰にも見えないところで何かが進んでいた、ということだからです。
彼女のような静かな人がここまで張り詰めるのは、ただ事ではないと直感しました。
名前を聞いて固まった瞬間
彼女が口にしたのは、研究室にかつて在籍していた男子後輩の名前でした。
修士課程を爽やかに修了し、就職先で活躍していると評判の、あの好青年です。
在学中、彼から強い好意を寄せられ、丁寧に断った。
それで終わったと思っていた、と彼女は言いました。
けれど就職後も連絡は止まなかったそうです。
SNSのアカウントは何度変えても見つけ出され、別の名前で接触してくる。
研究室を出る時間や行き先を、どこかで把握しているように待ち伏せされたこともある。
知らない番号からの無言電話も繰り返し届いていました。
すでに大学の教官にも相談し、弁護士を立てて話し合いの場まで持っていたそうです。
「自宅に戻ると一人だから、人のいる場所のほうが安心できて」
夜のラウンジに残っていた理由が、ようやく繋がりました。
私の頭に浮かんだのは、廊下ですれ違うたびに声を弾ませていた彼の挨拶です。
私の分までコーヒーを淹れてくれた、気の利く笑顔。
研究室の誰もが「いい子だよね」と褒めていた、あの軽やかな空気。
それと並行して、3年もの間、一人の女性に対する執着がほどけずに続いていたという事実。
誰からも好かれる爽やかさと、止まらない執着。
その二つが同じ人物の中で何の矛盾もなく同居していたことに、背中が冷えました。
彼女のマグカップから上がる湯気だけが、静かにラウンジの空気を揺らしていました。私が知っていた後輩の「いい子」という顔は、ほんの一面に過ぎなかったのだと、ようやく腹に落ちた瞬間でもありました。あれだけ毎日廊下で交わしていた挨拶が、今になって少しずつ別の音色を帯びて聞こえてきます。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














