「5万円、何に使ってるの?」毎月消えていた謎のお金。だが、夫が明かした理由に悲しくなったワケ
通帳に並ぶ違和感
結婚して数年、子どもも生まれて、私たちは家計を一緒に管理していた。
収支は毎月共有し、大きな出費は相談して決める。それが二人の約束だった。
その約束に、ひびが入っていると気づいたのは、何気なく通帳を確認した夜だった。
毎月5万円が、相談もなく引き出されている。
「ねえ、この毎月の5万円、何に使ってるの?」
「たいしたことじゃない」
「気にしすぎだよ」
夫はテレビに目を向けたまま答えた。
けれど、その横顔がどこかこわばっていた。
「半年で30万円だよ。たいしたことじゃない、で済む金額じゃない」
「俺の自由になる金がちょっとあったって、いいだろ」
言葉を濁す。問い詰めるほど、はぐらかす。隠している。そう確信した。
並べた半年分の記録
翌日、私は半年分の引き出し履歴を、日付と金額で一覧にまとめた。
同じ5万円が、規則正しく並んでいる。その紙を、朝食の席で夫の前に置いた。
「これ、全部の記録。一つずつ、説明できる?」
紙を手に取った夫の顔色が、見る間に変わっていった。視線が落ち着きなく動き、唇が小さく震える。
「……実は、母さんに送ってたんだ」
ようやく出てきたのは、義母への仕送りだった。生活が苦しいと打ち明けられ、誰にも言わずに毎月送っていたのだという。
「お義母さんを助けたい気持ちは、私も同じ。問題はそこじゃない」
「……黙ってたこと、だよな」
「そう。一言相談してくれたら、二人で考えられた。なんで一人で抱え込んだの」
「君に負担をかけたくなかった。それもあって、つい……」
「負担って、隠されてるほうがずっと重いよ。これからローンも教育費もかかるのに、何を信じればいいの」
夫は反論できなかった。深く頭を下げた。
「ごめん。隠したのが一番、間違ってた」
取り戻した信頼
その日を境に、お金の流れは家族みんなに開かれたものになった。仕送りは家計からではなく夫の小遣いから出すと決め、義母への援助は二人で堂々と続けることにした。
「今月の分、ここに記録しといたから」
夫は聞かれる前に、自分から通帳を開いて見せてくる。隠していた頃のそわそわした空気は、もうどこにもなかった。
「ちゃんと見せてくれるようになって、安心した」
そう伝えると、夫は照れくさそうに目を逸らした。「たいしたことじゃない」と突っぱねていた人が、今は私に何でも先に報告してくる。隠そうとした側と暴いた側で、立場はもう完全に逆転していた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














