「今日って割り勘ですよね!」大量に注文をしたママ友。だが、普段は温厚だったママ友の一喝で状況が一変
スマホから注文する店
保育園のママ友4人で、はじめてのランチでした。
会計は割り勘、と集まる前に決めてあります。
案内された席には、注文用のスマホが置いてありました。自分の画面から頼めるので、誰が何を選んだのかは分かりません。
私はパスタ、ほかの2人はピザとサンドイッチ。それぞれ千円台のランチセットです。
皿がなくなったころ、向かいの席のママが画面を覗き込みました。
「追加していい?」
「いいよ、食べなー」
軽い気持ちで、全員がそう答えました。
止まらない皿
最初に運ばれてきたのは、大盛りのカルボナーラでした。
「私、めっちゃ食べるんですよ」
次にマルゲリータ。そのあとにステーキ。三皿目が置かれたあたりから、テーブルの上に空きがなくなってきました。
店員さんが来るたび、3人の視線が皿の行き先を追います。
それが全部、向かいの席に置かれていくのです。
メインだけで5品。パスタもピザもステーキも、きれいに空になっていきました。
そして、また画面を持ち上げたのです。
「デザートも追加していい?」
誰も返事ができませんでした。
運ばれてきたパフェとケーキとプリンが、テーブルの端に積み上がっていきます。私は隣のママと目を合わせました。言葉にしなくても、同じことを考えているのが分かります。
それでも、その場は無理に笑って乗り切りました。
レジ前で変わった空気
会計のとき、そのママはにこにこしていました。
「今日って割り勘ですよね!」
伝票の合計は2万円を超えています。
私たち3人は、どう見ても1人2000円ほどでした。
言い出せずにいたとき、いつも穏やかに笑っているママが伝票を手に取りました。普段は標準語で、声を荒らげるところを見たことのない人です。
「こんなに食べといて割り勘やと?」
レジ前の空気が変わりました。
「誰もあんたみたいに頼むの想定して、割り勘って言うてへんのや。限度ってもんがあるやろ」
怒鳴り声ではありません。一言ずつ、はっきりした言い方でした。
「割り勘って最初に言ったのに!」
「言うたよ。せやけど、こんなに追加してええとは言うてへん」
返す言葉が続きませんでした。もう1人のママも黙ってうなずいています。
そのママは自分の食べた分を計算して支払い、私たちの顔を見ないまま先に店を出ていきました。
残った3人は、しばらく誰も口を開けずにいました。
「ごめんな、雰囲気壊してもうて」
「壊れてたのは、こっちじゃないです」
そう返したら、穏やかなママは少しだけ笑いました。
あれから園で顔を合わせても、あのママは会釈だけで通り過ぎていきます。追加注文の話も割り勘の話も、二度と出ません。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














