「鍋も洗えない婿ね、情けない」親戚の前で婿をけなし続けた義母を、妻が毅然とかばい返した瞬間
親戚一同の前で、婿の私に向けられた小言
結婚三年目の正月、妻の実家に親戚が十二人ほど集まった。祖父母から幼いいとこの子まで顔をそろえ、居間はにぎやかな笑い声で満ちていた。食卓を囲んで和やかに話していたとき、義母が私のほうを見て、からかうように口を開いた。
「鍋も洗えない婿ね、情けない」
周囲の笑い声が、ふっと止まった。義母は構わず続ける。
「昨日の夜も、シンクに洗い物が残ってたわよ。うちの家系はみんな、家事がきちんとしてるのに」
妻があわてて、
「もう、やめてよ。ちゃんとやってくれてるよ」
と割って入ってくれた。だが義母は引かない。
「男の人だって、できる人はできるのよ。ねえ?」
前の晩、シンクに食器を残したのは確かだった。義母に子どもの相手を頼まれ、途中で手を止めただけなのに、その一場面だけを切り取られて笑われている。親戚たちは曖昧に笑うだけで、誰も助け舟を出さない。私は膝の上で手を握り、うつむくしかなかった。
妻が箸を置き、親戚の前で毅然と言い返した
追い打ちのように、義母は妻へ矛先を変えた。
「あなたがしっかりしないからよ。旦那さんを甘やかしたら、どんどんダメになるんだから」
その言葉を聞いた妻が、静かに箸を置いた。そして、まっすぐに義母を見て言った。
「お母さん、それは違う。夫は毎日ちゃんと家事も仕事もしてくれてる。昨日だって、お母さんに子どもを見てって頼まれて手を止めただけ。それを親戚のみんなの前でけなすのは、やめて」
声を荒らげるでもなく、それでいて一歩も引かない口調だった。にぎやかだった居間が、水を打ったように静まる。義母は反論しようと口を開いたが、言葉に詰まり、「……そんな、けなしてなんて」と目をそらした。それきり、家事の話は二度と出なかった。
妻は表情をやわらげ、「さ、お雑煮まだあるよね」と場をほぐしてくれた。固まっていた親戚たちも、ほっとしたように箸を動かしはじめる。
帰りの車、赤信号で止まったとき、私は「かばってくれて、ありがとう」と伝えた。妻は前を見たまま、少しだけ笑った。
「当たり前でしょ。あなたのこと、ちゃんと見てるんだから」
その一言に、ずっと胸の底にあったざらつきが、すっと消えていくのを感じた。あの日から、義母の家へ向かう足取りも、以前より軽くなった気がしている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














