「でも、仕事はしていないんだよね?」資料作りを丸投げするママ友。だが、普段は物静かな役員が伝えた一言とは
また私に回ってきた資料作り
秋のバザーを控えたある日、園の会議室で役員の打ち合わせが開かれました。
出店内容の確認が終わったところで、役員の取りまとめをしているママが、集めた書類を私の前に置きました。
「これ、金曜日までに一つの資料にまとめてもらえる?」
書類には各クラスの出店内容や価格、必要な備品などが、それぞれ異なる形式で書かれています。内容を確認し、パソコンで打ち直すだけでも相当な時間がかかりそうでした。
「金曜日までは難しいかもしれません。下の子がまだ二歳で、夜もまとまった時間が取れなくて」
そう答えると、そのママは少し不満そうな顔をしました。
「でも、仕事はしていないんだよね?家にいるなら、私たちよりは時間を作れるでしょう」
その言葉を聞いて、私は何も返せなくなりました。
名簿の修正や飾りの準備など、これまでも似たような理由で私に作業が回ってきていたからです。
周囲の役員たちも気まずそうに黙っていました。
役割分担表を見たママの指摘
そのとき、長机の端に座っていたママが、手元の役割分担表を見ながら口を開きました。
「この資料、もともとは広報担当と出店担当で作ることになっていませんでしたか」
普段の会合ではあまり発言しない、物静かな人でした。
取りまとめ役のママは、少し慌てた様子で答えます。
「でも、働いている人は時間がないから。できる人がやったほうが早いでしょう」
「家にいるから暇、ではないですよね」
穏やかな口調でしたが、会議室は静まり返りました。
「仕事をしている人にも、家で子どもを見ている人にも、それぞれ事情があります。最初に決めた担当を変えるなら、本人に渡す前に、みんなで相談したほうがいいと思います」
感情的に責めるのではなく、決めていたルールを確認する言い方でした。
すると別のママも、役割分担表を見ながら言いました。
「確かに、一人で全部まとめる量ではないよね。私は価格表の部分ならできます」
「私は提出された書類の確認をします」
その場で作業を分け直し、私は全体の体裁を整える部分だけを担当することになりました。
取りまとめ役のママは納得していない様子でしたが、最後には「じゃあ、それでお願いします」と答えました。
帰り際、私は発言してくれたママにお礼を伝えました。
「私も前から、負担が偏っているのが気になっていたんです」
彼女はそれだけ言うと、いつものように静かに帰っていきました。
それ以降、役員の仕事を変更するときは、会合で担当者を確認してから決めるようになりました。誰か一人の都合を勝手に決めつけて仕事を渡すことも、少しずつ減っていきました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














