「奥さんより私が大事だよね?」浮気していた夫→問い詰めたら逆ギレする夫に別れを決意
熱を出した日に届いた一通
高い熱が出て、その日は一日じゅう寝室で横になっていた。
家には私一人。布団から出る気力もなく、ただ天井をぼんやり眺めていた。夫が置いていったスマートフォンが、枕元でしつこく振動している。
半分眠ったまま、私は画面に目をやった。
同じ女性から、何通もメッセージが届いていた。
夫が「職場の後輩」と呼んでいた相手だ。
熱でぼんやりした頭が、文面を見たとたんに一気に冴えていく。
そこにあったのは、後輩が上司に送るような他人行儀な言葉ではなかった。やけに親しげで、二人だけが分かる空気が、画面の向こうから滲み出ていた。
「奥さんより私が大事だよね?」
続けて、もう一行が目に飛び込んできた。
「この前の旅行、また行きたいな」。指先が震えて、しばらく画面を持っていられなかった。
開き直る夫
帰宅した夫に、私はそのまま画面を差し出した。
問い詰めるつもりはなかった。事実を見せれば、何か言うだろうと思っていた。けれど夫が最初に発したのは、こちらを責める言葉だった。
「なんで勝手に見たの?」
悪いのは盗み見た私だと言わんばかりだった。相談に乗っていただけ、相手が勝手に好意を寄せてきただけ。
並べられる言い訳を、私は黙って聞いていた。けれど画面には、ごまかしようのない一通が残っている。
「バレてないって思ってる?」
静かに問い返すと、夫の言葉はそこで途切れた。
目が泳ぎ、口が半端に開いたまま、声が出てこない。あれほど勢いよく私を責めていた人が、たった一言で身動きできなくなっていた。
叫ばずに、決めた
裏切られたと知ったとき、わき上がってきたのは涙ではなかった。
長年の信頼が音もなく崩れていく感覚の中で、私の気持ちはむしろ冷たく落ち着いていった。ここで泣き叫んでも、何も取り戻せない。そう分かっていた。
次の日から、私は感情を脇に置いて手を動かした。
メッセージのやり取りを残らず保存し、旅行の日付を書き出し、証拠を一つずつ静かに積み上げていく。
そのうえで弁護士に相談を持ちかけた。準備が整ってから切り出された話に、夫はようやく事の重さを悟ったようだった。
「これからはちゃんとするから」
その場しのぎの言葉は、もう私には届かなかった。
観念した夫とは、離婚と相応の慰謝料で話がついた。声を荒らげも、すがりもしない。淡々と筋を通したその選択が、私にとっての最後の意地だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














