「それ素敵。どこの?貸してよ」遠慮のないママ友。だが、私が明かした事実で態度が一変
ブランドの値段を探るママ友
「それ、どこの?いくら?」
顔を合わせるたび、そのママ友の第一声はいつも同じだった。
私の服やアクセサリーを上から下まで眺めては、ブランド名と値段を確かめてくる。
詮索されているようで、あまり気分のいいものではなかった。
それでも波風を立てたくなくて、私は当たり障りなく受け流していた。
厄介だったのは、その先だ。少しでも良い物だと分かると、彼女は必ずこう言った。
「貸して」
三回に一度は、この台詞が飛んでくる。断れずに貸したイヤリングが、片方をなくして戻ってきたこともあった。
それでも彼女は悪びれず、「あら、そうだった?」で済ませてしまう。
「減るものじゃないし、いいでしょ?」
そのたびに、私は曖昧に笑ってうなずくしかなかった。断ったら、面倒なことになる。子ども同士も同じクラスだから、波風は立てたくない。
そんな遠慮が、いつも私の口を重くした。
でも、貸すたびに胸の奥がざらつく。大事にしていた物が、雑に扱われて返ってくる。その繰り返しに、限界が近づいていた。
受け流すのをやめた日
ある日の集まりで、彼女はまた私のネックレスに目を留めた。
「それ素敵。どこの?貸してよ」
いつもの流れ。けれど私は、もう受け流すのをやめようと決めていた。
「これは無理かな。母からもらった物なの」
私は笑みを崩さず、それでもきっぱりと言い切った。
彼女は虚を突かれたように黙り込んだ。
「…ふうん。前は貸してくれたのに」
「大事な物は貸さないよ。それだけ」
私が静かに繰り返すと、彼女の頬がこわばった。周りにいたママたちも、気まずそうに視線を交わしている。
「別に、怒ってないよ」
私はあくまで笑顔のまま返した。彼女は言葉に詰まり、視線を落として、それ以上は何も言えなくなった。
その空気を察したのか、彼女は「そんなにムキにならなくても」と小声で言い、逃げるように話題を変えた。周りの数人が、ちらりと目配せを交わしたのを私は見逃さなかった。
あんなにしつこかった「貸して」は、その日を最後にぴたりと消えた。
値段を探る質問も、いつの間にかなくなっていた。
嫌われるのが怖くて言えずにいた一言は、口にしてみれば拍子抜けするほど軽かった。角を立てずに引いた一本の線が、こんなにも心をラクにしてくれるとは思わなかった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














