「お祝いは格を合わせて、3万にするから」うちの合格祝いは5千円だった。翌年、義母の提案に感じた本音とは
ポチ袋に入っていた5千円
数年前の春、長男が第一志望の公立高校に受かりました。
合格発表の掲示板の前で、息子より先に私が泣いてしまったのを覚えています。
報告の電話をした数日後、夫の姉が家に立ち寄ってくれました。
「合格おめでとう。これ、気持ちだけね」
渡されたポチ袋には、5千円が入っていました。
「ありがとうございます。助かります」
公立に受かっただけで御の字でしたし、お祝いをいただけたこと自体がありがたい話です。
息子も後から自分で電話をして、礼を伝えていました。
「おばさん、制服代の足しにします」
そのときの義姉の声は、たしかに温かいものでした。金額の多寡など、こちらは考えてもいません。
公立に進めた安堵のほうが、よほど大きかったからです。
義母に呼ばれた午後
翌年、義姉の息子が私立の進学校に合格しました。
しばらくして、義母から呼び出しの電話が入ります。
「話があるから、来られる日を教えて」
義実家の居間に通されると、義母はいきなり本題に入りました。
「甥っ子のお祝い、もう考えてる?」
これから考えるところだと答えると、義母は引き出しから一枚のし袋を取り出して、卓袱台の上に滑らせました。
「お祝いは格を合わせて、3万にするから」
金額を、指示されたのです。
「私立は学費が違うんだから、そのくらい包むのが筋でしょう」
頭に浮かんだのは、去年の5千円のポチ袋でした。
あれを引き合いに出す気はありません。ただ、義母の口からその話が一度も出ないことが、どうしても引っかかったのです。
「お義姉さんのときとは、事情が違うということですか」
「そういう細かいこと、言うもんじゃないの」
義母はそう言って、話を打ち切りました。
実の娘のこととなると、この人はいつもこうでした。
運動会に来る回数も、正月のお年玉の厚みも、線引きはいつも義姉の側に寄っていたのです。
のし袋を持たされて、私は義実家を出ました。帰ってから夫に相談しても、返ってきたのは義母と同じ側の言い分です。
「姉貴のところは私立で金が掛かるんだから、仕方ないだろー」
「うちの子だって、制服も教科書も要ったけど」
「そこで揉めても、得しないって」
私は言われた通り3万円を包み、のし袋に名前を書きました。
義母は「これで格好がついたわ」と笑っていました。
それ以来、義実家に行くのは法事や正月だけです。
義姉たちからの連絡にも、用件だけを短く返すようになりました。あの日のポチ袋のことは、今も誰にも話していません。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














