「赤ちゃんを見せて!」教えてもいない病室に押しかけた義母と義兄→非常識な行動に夫が怒り心頭
廊下から近づいてきた笑い声
入院して三日目。個室の外の廊下から、聞き覚えのある笑い声が近づいてきた。
そんなはずはなかった。私は授乳の途中で、人を迎えられる状態ではない。
それに、この病院のことは誰にも伝えていない。
扉が、ノックもなく開いた。
「赤ちゃんを見せて!」
義兄が、紙袋を提げて立っていた。その後ろから、義母が顔を出す。
「せっかく来たんだから、抱かせてよ」
「待ってください、今は…」
タオルを引き寄せる私の前を、二人は素通りしてベッドの脇に立った。
「どうして、ここが分かったんですか」
「この辺の産院なんて、数えるほどでしょ」
義母は当たり前のように言った。謝罪の言葉は、ひとつもなかった。紙袋からは、まだ値札の付いたぬいぐるみが覗いている。
義兄がスマホを向ける。
「一枚だけ。親戚に送るから」
「やめてください」
「固いこと言うなよ」
シャッターの音が、静かな部屋に落ちた。
言葉が通じないと分かった夜
面会時間が終わってから来た夫に、私は全部話した。
「急に来るのはやめてくれって、俺から言うよ」
その電話は、まったく通じなかった。スピーカーから、義母の声が漏れてくる。
「非常識って何よ。孫でしょ」
夫は通話を切ると、天井を見上げた。
「分かった。もう、言葉じゃ無理だ」
翌日、夫は病棟のスタッフに事情を話した。事前の連絡がない面会は、こちらが了解しない限り取り次がない。そう手配してもらった。
週明けの朝、二人はまた現れた。
病棟の入口で、インターホン越しに断られた。
「なんで通さないの。おばあちゃんよ」
「ご本人の了解がありませんので」
返ってきたのは、それだけだった。義母は同じ言葉を二度繰り返し、三度目で声が細くなった。
「……聞いてないわよ、そんなの」
降りてきた夫が、ドアの内側から言った。
「連絡してからにして。それができないなら、会わせない」
義兄が、先に目を逸らした。ロビーの家族連れが、こちらを見ている。義兄は義母の袖を引いて、出口へ歩き出した。
「……帰るぞ」
義母は言い返さなかった。自動ドアが閉まるまで、一度もこちらを振り返らない。
病室に戻った夫に、私は言った。
「あれで、よかったと思います」
退院してから、二人が突然来ることはなくなった。義母は必ず前日に電話をよこす。「そっちに伺ってもいい?」と聞いて、都合が悪いと言えば、それ以上は食い下がらない。義兄からは、あの日の写真を消したという連絡が、夫のところにだけ届いた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














