tend Editorial Team

2026.07.21(Tue)

「オムツ替えは、嫁が全部しなさい」祖母から届いた手紙。孫の顔見せで本音を言わなかった祖母に絶句

「オムツ替えは、嫁が全部しなさい」祖母から届いた手紙。孫の顔見せで本音を言わなかった祖母に絶句

ひ孫の顔を見せた、静かな午後

息子が生まれて三か月目に、夫の祖母の家へ顔を見せに行きました。

「よく寝る子だねえ。誰に似たのかしら」

縁側の障子は開け放たれていて、風の音まで聞こえる家でした。九十を過ぎても、祖母は自分でお茶を淹れて、自分で運んできます。

「お構いなく。すぐお暇しますので」

「そんなこと言わないで、ゆっくりしていって」

抱いていた息子が身をよじり始めたのは、湯呑みが半分ほど減った頃です。においで、すぐに分かりました。

「ごめん、カバンからオムツ出してくれる?」

夫が荷物の中を探ります。

「これ?おしり拭きも出しとくわ」

畳を汚さないようにタオルを敷いて、二人で手分けして替えました。祖母は湯呑みを持ったまま、じっと座っています。

何も言いません。にこにこと、こちらを見ているだけでした。

「お騒がせしました。すぐ片付けますので」

「気にしなさんな。うちは、汚れて困るものなんてないよ」

そう言って、祖母は息子の小さな手を、しわだらけの指で包みました。

「またおいで。元気でね」

玄関で見送られて、その日は終わりました。

それだけの、なんでもない訪問だったはずなのです。

便箋の二枚目に、書かれていたこと

二週間ほど経って、義母から電話がありました。

「おばあちゃんから手紙が来たのよ。あなたたちのことで」

週末、義母の家のテーブルに、その便箋が広げてありました。

細くて、几帳面な字です。

「オムツ替えは、嫁が全部しなさい」

そう読める一節が、二枚目の真ん中にありました。夫に手伝わせるものではない、という意味だそうです。

そしてもう一行、人前で夫を愛称で呼ぶのはいかがなものか、と続いていました。

あの日、私が夫を呼んだのは一度きりです。オムツを取って、それだけ。

「聞こえてたんですね」

「聞こえてたどころじゃないでしょ、これ。日付まで書いてあるもの」

背中が、すっと冷たくなりました。笑って湯呑みを包んでいた手の向こうで、祖母は私の声を一つ残らず拾っていたのです。

しかも、その場では何も言わない。二週間かけて便箋に清書して、義母のところへ送る。

「おばあちゃん、私には直接おっしゃらないんですか」

「言わないの。昔から、そういう人」

夫は隣で、黙って湯呑みを見つめていました。夫の祖母のことです。私から、どうこう言えるはずもありません。

次に帰省したとき、祖母はいつもと同じ笑顔で迎えてくれました。

お茶を淹れて、息子の頬をつついて、また来てねと手を振ります。あの日と、何一つ変わりません。

その笑顔の下で、今度は何枚目の便箋が用意されているのか。確かめる術は、私にはないのです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.25(Sun)

「うわ、茶色いね!」親子遠足で息子のお弁当を笑ったママ友。だが、気まずくなった私の隣から聞こえた言葉
tend Editorial Team

NEW 2026.10.25(Sun)

「うちの娘なんて、注意されてばかりなのに」息子が褒められて嫌味を言われた私。だが、監督から聞いた練習後の姿
tend Editorial Team

NEW 2026.10.25(Sun)

「今度返すから!」と笑顔で帰る親友。食事代の立て替えが4か月も続き、私がようやく切り出したこと
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.12.26(Fri)

「税務署舐めたらいかんよ」「人として悲しい」と厳しい声も。実業家・宮崎麗果が税務指摘を受け、過少申告を謝罪
tend Editorial Team

2026.09.07(Mon)

「今度、お茶でもどうですか?」診察で気さくに話しかけてきた女性。だが、お茶の席で始まった話に違和感とは
tend Editorial Team

2026.06.27(Sat)

弟「兄弟みんな平等が一番もめないだろ」母を10年介護した私が遺産相続の会議で飲み込んだ言葉
tend Editorial Team