「炊飯器買い換えようか」その場の勢いで買い物をしてしまう夫。だが、夫が家計簿を見た結果
電卓を叩く音が、しばらく続いた夜
結婚してから、夫とはお金の使い方だけがなかなか合いませんでした。私は必要なものから順に買いたいタイプ。夫は店で気に入ったものを見つけると、「せっかくだし」とその場で決めたくなるタイプでした。
もちろん、夫も家のために買おうとしているので、強く反対するほどでもありません。それでも月末が近づくたび、私は残高を見ながら食費を調整していました。
そのころ、夫が欲しがっていたのが新しい炊飯器です。今使っているものはまだ炊けるものの、売り場で新しい機種を見てから何度も話題に出していました。
「炊飯器買い換えようか」
私はそのたびに「まだ使えるから、急がなくてもいいと思う」と答えていました。
ある月末の夜、台所から居間へ戻ると、夫がテーブルで家計簿を開いていました。私が毎月つけている簡単なノートで、夫も存在は知っていましたが、中身をじっくり見ることはほとんどありませんでした。
電卓を何度か叩いたあと、夫が顔を上げました。
「今月は先に食費を出しておくよ、炊飯器は来月でいい」
私は少し驚きました。
夫は食費や日用品、光熱費の数字を順番に見ながら、もう一度電卓を叩きました。
「先に必要な分を分けておくと、残りが分かりやすいんだな」
私はそれまで、月末になると足りなくならないよう、自分の中だけで計算していました。夫にきちんと説明したことはほとんどありませんでした。
「パパ、電卓の音が大きい」
娘に言われると、夫は笑って電卓を静かに置きました。
その夜、家計簿のいちばん上には、夫の字で「食費」と書き足されていました。
次の月、夫が棚に戻した炊飯器
翌月、家族で買い物へ行ったときのことです。家電売り場を通ると、夫は以前から気になっていた炊飯器の前で足を止めました。
値札を見て、箱を一度手に取ります。
以前なら、そのまま「買おう」と言っていたと思います。
ところが夫はしばらく箱を眺めたあと、棚へ戻しました。
「今の、まだ使えるもんな。これはもう少し先でいいか」
娘が「買わないの?」と聞くと、夫は「今日はやめとく」と答えました。
それから夫の買い物がすべて変わったわけではありません。今でも売り場で「せっかくだし」と言うことはあります。
ただ、そのあとに一度値段を見て、「今日はいいか」と戻すことが増えました。
私も、自分だけで家計のことを抱え込むのをやめました。食費や大きな買い物について、月の初めに二人で確認するようになったのです。
月末に残高を見るときの不安も、以前より少し減りました。
「家計簿、どこに置いた?」
今では月の初めになると、夫のほうからノートを探すことがあります。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














