tend Editorial Team

2026.09.13(Sun)

「昨日、メッセージ見ました?」返事をしなかった翌朝、同僚に声をかけられて感じた違和感

「昨日、メッセージ見ました?」返事をしなかった翌朝、同僚に声をかけられて感じた違和感

夜に届く文と、翌朝の廊下

四十代に入ってすぐの、前の職場での話だ。同じ階に席はあったけれど担当が違い、仕事で話すことはほとんどなかった。朝や夕方に会えば挨拶をする、それくらいの相手だった。

ある時期から、夜にその人から短い連絡が入るようになった。

「今日かなり冷えますね。帰り、気をつけてください」

最初は親切で送ってくれているのだろうと思った。特に返事をすることもなく、そのままにしていた。

ところが何日かすると、内容が変わった。

「さっき、家の近くにいましたよね? 見かけました」

その週だけで、「家の近くで見かけた」という連絡が3度届いた。私はどれにも返さなかった。

すると翌朝、廊下ですれ違ったところで声をかけられた。

「昨日、メッセージ見ました?」

「あ……すみません。夜はあまり返さないんです」

「そうなんですね。返事がないから、ちょっと気になって」

怒っているわけでも、責めているわけでもなかった。それでも、なぜ私の返事をそこまで気にするのだろうと思った。

別の日には、出勤してすぐに声をかけられた。

「昨日、けっこう遅くまで残ってましたよね」

「ああ、少し仕事が残っていたので」

「やっぱり。見かけた気がしたんです」

同じ階で働いているのだから、それ自体はおかしくない。けれど、それまでの連絡が頭に残っていて、私は少しずつその人を意識するようになっていた。

偶然でも、気になってしまった休日

有給を取った翌日にも話しかけられた。

「昨日、お休みでしたよね。どこか行ったんですか?」

「ちょっと用事があって」

「へえ、どの辺まで?」

「まあ、近くだけです」

それ以上は答えたくなくて、私はそこで話を切り上げた。

その後の休日、買い物をしていると、同じ売り場にその人がいた。目が合うと、向こうも驚いた顔をした。

「あれ、こんなところで会うんですね」

「……びっくりしました」

「僕もです。すごい偶然ですね」

本当に偶然だったのだと思う。それでも、それまでの連絡を思い出すと、私は素直に笑えなかった。

その日の夕方、上司に相談した。

「仕事のことではないんですが、少し気になっていることがあって……」

これまでのことを話すと、上司はしばらく黙って聞いていた。

「それは気になりますね。無理に大したことじゃないと思わなくていいですよ」

「私が気にしすぎなのかなって、ずっと迷っていて」

「そう思っていても、気になるなら相談して大丈夫です。できる範囲で接点を減らしましょう」

翌週から席や担当が少し調整され、その人と顔を合わせる機会は減った。

「しばらくこれで様子を見ましょう。何かあったらまた言ってください」

「ありがとうございます。少し安心しました」

それから、夜の連絡も朝の声かけも止まった。

大きな被害があったわけではない。ひとつずつなら、親切や偶然だったのかもしれない。

それでも、「家の近くで見かけました」と続けて届いた3通だけは、今でもよく覚えている。

あのとき、自分の考えすぎだと片づけず、一度誰かに話してみてよかったと思っている。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.11.03(Tue)

「早い者勝ちでしょ」旅行先のフードコートで席を横取りされた私たち。だが、隣のテーブルにいた母親が声をかけてくれた
tend Editorial Team

NEW 2026.11.03(Tue)

「えっ、あれだけ飲むんですか」ファミレスで男性客を見つめる義母。グラスに注いだものを見て唖然
tend Editorial Team

NEW 2026.11.03(Tue)

「事務職は定時で帰れて楽だね」と合コンで見下すデザイナー。会計で私が財布を出すと、彼は言葉を失った
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.08.18(Tue)

「レジの袋が小さい、入れ直せよ」一番大きな紙袋だと説明しても納得しなかった客。だが、店長の一言で態度が一変
tend Editorial Team

2025.08.29(Fri)

はらぺこツインズの『すっぴん』に「鏡?かと思った」の声。ファンでも見分けがつかない激似ショットが話題
tend Editorial Team

2025.12.22(Mon)

「母さんの介護はお前がやれ」と逃げる兄夫婦。だが、母の遺言書に書かれていた一文を見て絶句【短編小説】
tend Editorial Team