「ごめんね。もうしないから」何度も借金を繰り返す母を信じた家族。数年後、父が見せた明細と、隣室から聞こえた母の笑い声に戦慄
母のカードを預かれば安心だと思っていた
私の家族は、父と母、姉、私、妹の5人です。
母は昔からお金の使い方が大ざっぱなところがあり、カードで大きな買い物をしては、その支払いのために銀行からお金を借りていました。
しかも、借金をしていることをあまり深刻に考えていないようでした。
普段は明るく、家族と話しているときも、いつもと変わらない様子だったのです。
初めて母の借金が発覚したときは、家族全員で話し合いました。
借入額は何百万円にもなっており、結局、父と私たちきょうだいで分担して返済することになりました。
「お母さん、もう借りないでよ。本当に困るから」
姉がそう言うと、母は申し訳なさそうにうなずきました。
「うん、ごめんね。もうしないから」
私たちも、その言葉を信じたいと思っていました。
ところが、しばらくすると母はまた大きな買い物をして、カードで支払っていたのです。
同じことが3度続き、さすがに家族も限界でした。
何度注意しても繰り返すので、話し合った末、母のカードを家族で預かることにしたのです。
その日、駅まで送ってくれた父が、帰り道でぽつりと言いました。
「今度こそ大丈夫だ」
「そうだね。もう借りられないだろうし」
父も私も、ようやく肩の荷が下りた気がしていました。
私はすでに実家を出ていたこともあり、それからは母のお金のことをあまり気にしなくなっていきました。
父が見せてきた一枚の明細
それから時間がたった最近のことです。
ある夜、父から「ちょっと話があるから、実家に来てくれないか」と連絡がありました。
実家の居間に入ると、父がテーブルの前に座っていました。奥のふすまは閉まっていて、隣の部屋からはテレビの音が聞こえています。
「どうしたの?」
私が尋ねると、父は「まあ、座ってくれ」と言い、テーブルに一枚の紙を置きました。
銀行の明細でした。
「これ、何?」
「母さんの借金だよ。また借りてたんだ」
「えっ、また?」
思わず父の顔を見ました。
「でも、カードは預かったままだよね?」
「ああ。別のところで借りてたみたいだ」
父はため息をつきました。
私はもう一度、明細に目を落としました。
カードを預かってからは、借金の心配はなくなったと思っていました。ところが母は、その後も別の方法でお金を借りていたのです。
「母さんには話したの?」
そう聞こうとして、私は口を閉じました。
これまで何度も話し合い、そのたびに母は「もうしない」と約束してきたからです。
しばらく黙っていると、隣の部屋から母の笑い声が聞こえてきました。
テレビを見ているのでしょう。
父は明細をたたみ、引き出しにしまいました。
「……どうしたらいいんだろうな」
私はすぐには返事ができませんでした。
借金を返しても、カードを預かっても、同じことが繰り返される。これからどうすればいいのか、私にも分からなかったのです。
「今度こそ大丈夫だ」と言っていた父の顔を思い出しました。
あのとき、私たちは本当にこれで終わったと思っていました。
隣の部屋からは、相変わらずテレビの音と母の笑い声が聞こえていました。
以前と変わらないその声を聞きながら、また同じことが起きるのではないかと、不安になりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














