「だれか声かけないのかな?」優先席の前で立っている年配の男性。だが、優先席に座っていた女性の対応に心温まった
朝の通勤ラッシュ。
息苦しいほどの満員電車での出来事です。
私が乗っていた車両は、今日もたくさんの人で溢れかえっていました。
ふと優先席のほうに目をやると、ご高齢の方がつり革につかまって立っています。
しかし、その目の前の優先席に座っている若い男性は、スマホの画面に釘付け。目の前にお年寄りがいることに、まったく気づく気配がありません。
(あ、お年寄りが立っている……)
少し離れた場所から見ていた私だけでなく、周囲の人たちもチラチラと視線を送るばかり。
(だれか声かけないのかな?)
(あの若者、完全に自分の世界に入ってるな……)
車内に漂う、なんとも言えないモヤモヤとした空気。
私も「声をかけたほうがいいのかな」と迷いつつも、距離があって動き出せず、ただ様子を見守ることしかできません。
そんな重苦しい空気を破ったのは、若者のすぐ近くに座っていた一人の女性。
彼女はスッと立ち上がると、ご高齢の方に向けて静かに口を開きました。
「あの、よろしければこちらの席、どうぞ」
押し付けがましいわけでもなく、誰かを責めるようなトーンでもない、ごく自然で優しい声。
その言葉と立ち上がる気配に、スマホに夢中だった若者がハッと顔を上げます。
優しい気づき
そこでようやく、目の前の状況に気がついたのです。
「あっ……すみません!」
若者は弾かれたように勢いよく立ち上がると、なんとも居心地が悪そうに、足早にその場から離れていきました。
「ご親切に、ありがとうね」
「いえ、どうぞお気をつけて」
ホッとした様子で席に座り、女性に笑顔で会釈をするお年寄り。
そのやり取りを見た瞬間、それまで車内を覆っていたどんよりとした空気が、スッと晴れ渡っていくのを感じました。
「なぜ譲らないの!」と若者を直接責めるのではなく、自ら席を譲るというスマートな行動。
それが結果的に若者に気づきを与え、場の空気まで一気に和ませたのです。その鮮やかな対応に、見ているこちらまで心の底からスカッとしました。
「次に同じような場面に遭遇したら、自分もあんな風にサッと行動できる人でいたい」
心がじんわりと温かくなると同時に、そう強く思わせてくれた朝の出来事です。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














