tend Editorial Team

2026.05.18(Mon)

「君がやらなかったせいだ」いつもの課長の怒声→持っていた証拠を静かに差し出した私が見た光景

「君がやらなかったせいだ」いつもの課長の怒声→持っていた証拠を静かに差し出した私が見た光景

「君がやらなかったせいだ」

「君がやらなかったせいだ」

課長の声は低く、はっきりしていた。オフィスの空気が止まった気がした。

取引先への提出書類にミスが発覚した朝のことだ。

課長はまっすぐ私のデスクへ来て、迷いなくそう言い放った。いつものパターン。繁忙期になると誰かのせいにする。それが以前の職場の課長だった。

普段は穏やかで話しやすい人だったが、忙しい時期になると別人のように変わる。

些細なミスでも人前で叱り飛ばし、周囲はいつも顔を伏せていた。私も何度か同じ目に遭っていたから、咄嗟に身構えた。

ただ、その日だけは少し違った。

たまたま、証拠があった

私は前日、承認を求めるメールをすでに送っていた。

書類の最終確認フローは課長の承認を経ることになっていて、返信が来ないまま翌朝に提出されていたのだ。

スマートフォンを机に置いた。送信済みのメールと、その時刻。

それだけだった。

「これは私が確認した後の話ではないですよね」

声が少し震えていたかもしれない。それでも言葉は出た。

課長は画面をじっと見た。

周囲の同僚も動きを止めて、こちらに目を向けていた。

普段なら誰も口を出せない課長が、珍しく黙って、メールの時刻を確認していた。

変わった、あの瞬間から

「…それは、私が確認すべきだった」

声量は落ちていた。短い時間だったが、その場にいた全員が見ていた。

課長はそのまま取引先への対応に移った。私は席に戻り、深呼吸した。

その場に立ち会っていた同僚が帰り際に「よく言えたね」と小さく声をかけてくれた。それだけで、じわっと力が抜けた。

翌日も、その次の日も、課長は以前より静かだった。

声を荒げる頻度が明らかに減った。完全に変わったわけではない。でも、あの朝を境に何かが少し動いた気がした。

数日後、同じ部署の先輩が「よく言えたね、あの人に」とだけ言った。その短い一言が、あのとき凍えそうだった自分の背中をじわっと温めた。うまく言えたかどうかは、今もよくわからない。でも声を出したことは確かだ。

メールの送信履歴を残していて良かった、とも思った。

証拠があったから言えたのか、言えたから証拠が生きたのか。どちらでもいい。あの朝に言葉を出した自分を、今でも誇らしく思っている。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.07.02(Thu)

高齢者医療費の「原則3割負担」議論に猛反発の声!現役世代の悲鳴と制度維持をめぐる国民の選択とは
tend Editorial Team

NEW 2026.07.02(Thu)

「イメージダウンでしかない」とSNSでは厳しい声も。太洋物産が堀江貴文氏の社外取締役就任を発表
tend Editorial Team

NEW 2026.07.02(Thu)

国旗損壊罪の棄権で波紋広がる!自民・岩屋毅前外相の退場に国民から『覚悟が足りない』『離党すべき』と批判の声が殺到した理由
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.02(Tue)

「なんで無視すんの?返事しろよ」一度会っただけでしつこく連絡してくる男。アカウントごと消した夜
tend Editorial Team

2026.02.28(Sat)

【衝撃】日曜劇場『リブート』第5話放送後、「心臓がもたない」と悲鳴続出 怒涛のどんでん返しが話題に
tend Editorial Team

2026.03.29(Sun)

松尾貴史氏が嘆く戦争反対へのバッシングと平和を願う表現が削除に追い込まれる令和の不気味な違和感の正体
tend Editorial Team