「友達だよ」と言いながら電話に出なかった彼→画面に光った見慣れない女性の名前が問いかけ続けるモヤモヤ
いつも通りの夜に差し込んだ一瞬
付き合っていた彼は、どちらかといえば穏やかで話しやすい人だった。こちらが不安に思うようなことはほとんどなく、関係に大きな波もなかった。そういう安定感を、私はどこか信頼していた。
あの夜も、彼の部屋で2人でのんびり過ごしていた。
特に変わった雰囲気はなく、ゆったりとした空気の中でいつも通りの時間が流れていた。
彼のスマートフォンが机の上で着信を受けた。画面は上を向いていた。
表示されていたのは、見慣れない女性らしい名前だった。
「出なくていいの?」と声をかけると、彼はちらりと画面を確認してから、音を止めた。
「友達だよ」
短くそう言って、また話が流れた。特に動揺しているふうでもなく、いつも通りの彼だった。
その自然さが、かえって引っかかった。
「友達」という答えに残り続けた問い
もし本当に何でもない相手なら、電話に出られるはずだ。
私の前でも普通に「ちょっとごめん」と出て、話せばいい。
後でいいと判断したのはなぜか。
私がそこにいたからか、それとも出られない理由があったのか。
画面が上向きのまま机に置かれていたのも気になった。
伏せていれば私の目には入らなかった。
意図的に見えるようにしていたとは思わないが、あの女性らしい名前は確かに目に入った。
問い詰めたわけではない。
証拠もなければ、根拠もない。
この空気を乱したくなかったし、疑い始めたらきりがないとも思っていた。
あの夜に結論を出せるような話でもなかった。
それでも、あの一瞬からどこかに小さな引っかかりが残った。
問いかけてもいい場面だったのか、黙っていて正解だったのか、今でも判断がつかない。
言葉にしないまま過ごしたことが、後に重みを持ってくることがある。
翌日も彼はいつも通りだった。
あの着信のことは、2人の間で一度も話題にならなかった。
私も聞かなかった。何かを確かめることへの怖さもあった。
その沈黙が、かえってくすぶりを大きくしていったのかもしれない。
「友達だよ」と言った彼の言葉を、今でも反芻してしまう。
その言葉が本当だったとしても、電話に出なかった理由は教えてもらえなかった。
あの夜から何かが変わったわけではないが、何かが変わっていたのかもしれない。
釈然としないままその夜は終わり、関係もいつしか終わった。
見慣れない名前の答えは、どこにも見つからないまま残っている。もし聞いていたら何か変わっていただろうかと、今でも思う。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














