「もう返したよ、着払いで!」音信不通のまま別れようとした彼。だが、返品を要求したプレゼントに絶句
急に冷めた連絡
マッチングアプリで知り合った二歳上の彼。付き合いたての頃は、こまめに連絡をくれる人だった。
「今日もお疲れさま。明日の朝、電話していい?」
「うん、待ってるね」
そんな彼が、一か月を過ぎたあたりから別人のように素っ気なくなった。返信は遅れ、会う頻度もみるみる減っていく。
「忙しいのは分かるけど、ちょっと寂しいな」
「そう?普通だと思うけど」
かろうじて会えたのは、クリスマスの一度きり。
その日、二人でプレゼントを交換した。私は彼のために少し奮発して財布を選んだのに、彼がくれたのは、ひと目で値段の差が分かる安物の財布だった。
フェードアウトされて
そして、そのクリスマスを最後に、彼は一切の連絡を絶った。
「ねえ、なにかあった?」
「もし忙しいなら、それでもいいから一言ちょうだい」
送ったメッセージは、既読にすらならない。
一週間、二週間と返事を待つうちに、私はようやく悟った。これは音信不通という名の、ただの逃げだ。
マメだったのは、最初に気を引きたかっただけ。
手に入れたと思った途端、彼の熱はあっけなく冷めたのだろう。腹は立ったけれど、追いかける気にもなれなかった。
連絡を絶つことでしか別れを切り出せない、その程度の人だったのだ。
ただ、自分が贈った財布だけは取り戻したい。
気持ちを込めて選んだものを、こんな終わり方で手放したくなかった。私はそれだけを伝えた。
「悪いけど、あげた財布は返して」
「お互いの記念に、っていうのも違うと思うから」
しばらく無視が続いたあと、渋々といった調子で、ようやく彼から返信が届いた。
最後に見えた器
「もう返したよ、着払いで!」
数日後、届いたのは送料受取人払いの小包だった。
別れ際の連絡もせず逃げておいて、返送の数百円すら惜しむ。その徹底ぶりに、怒りより先に笑いがこみ上げた。
「ほんと、最後まで小さい人だったな」
つぶやきながら、送料を払って箱を受け取った。
中には、たしかに私が贈った財布。彼への気持ちは、もうひとかけらも残っていなかった。
「着払いで返ってくる恋なんて、初めてだよ」
そう一言だけ送って、私は連絡先を消した。
既読はついたが、返事はない。言い返す言葉も持っていなかったのだろう。
追いかけた数か月が馬鹿らしくなるほど、別れたあとは身軽だった。安い財布一つで、こんな小物と縁が切れたのなら大満足。
送料の数百円は、最高の手切れ金だったと思っている。
「これで、すっきりした」
今の私は、あの一件を笑い話のネタとして友人に披露している。
着払いで返ってきた恋なんて、なかなか経験できるものじゃない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














