tend Editorial Team

2026.07.03(Fri)

「バイバイとか、挨拶の仕方がなってないでしょ!」園のお迎えで娘を怒鳴る母親→口論の末についた決着

「バイバイとか、挨拶の仕方がなってないでしょ!」園のお迎えで娘を怒鳴る母親→口論の末についた決着

仲良しの子に手を振っただけ

うちの娘と同じクラスに、なぜか娘と相性の合わない子がいた。

子ども同士に好き嫌いはあるもので、私はそこに口を出さないようにしていた。

お迎えの時間、園庭から出てきた娘が、いつも一緒に遊んでいる子へ笑顔で手を振った。

「あしたもあそぼうね、バイバイ」

その光景を、少し離れたところで例の子の母親が見ていた。次の瞬間、彼女は娘のほうへ大股で歩み寄ってきた。

「バイバイとか、挨拶の仕方がなってないでしょ!」

四歳の子に向けるとは思えない声量だった。娘はびくっと肩をすくめ、私の足にしがみついた。

かばいながら返した問い

最初は驚いて固まってしまったが、震える娘の手を感じて、黙ってはいられなくなった。

私は娘の前に立ち、その母親に向き合った。

「怒鳴りつけてまで強要させるんですか!?」

母親は気色ばんで言い返してきた。

「挨拶くらい、ちゃんとさせるのが親でしょ」

「仲のいいお友達に手を振った子に、大人が怒鳴って従わせる。それが正しいとは思えません」

そう告げると、母親の言葉が止まった。何か言いかけては、口をつぐむ。反論を組み立てようとして、うまく言葉にならない様子だった。

「だって、うちの子が可哀想じゃない」

かろうじて絞り出したのは、それだけだった。気づけば、お迎えに来ていた他の親たちが、足を止めてこちらを見ていた。誰も彼女に同調する声を上げる人はいなかった。

一斉に引いていった人たち

ざわついた空気のなかで、近くにいた一人が遠慮がちに声を上げた。

「子どもに無理やり挨拶させるのは、さすがにねえ」

それを合図にしたように、周りの親たちが小さくうなずき、彼女から半歩ずつ距離を取った。味方が誰もいないと悟ったのか、母親の勢いはみるみるしぼんでいった。

最後はもう、こちらと目も合わせられない様子だった。

「……行くよ」

子どもの手を引き、逃げるようにその場を後にした。来たときの大股とは違う、足早でうつむいた背中だった。

 

娘はまだきょとんとしていたけれど、私はもう胸のつかえが取れていた。庇ってくれた人がいて、見ていた人たちが何が正しいかをちゃんと分かっている。

それだけで、張り詰めていたものがほどけていった。

あの母親は翌日から私たちを避けるようになったが、こちらから歩み寄る必要も感じなかった。

理不尽に声を張り上げた人が、自分から小さくなっていく。その背中を見送れただけで、十分だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.07.03(Fri)

「お前、誰だよ!」アパートの前で待ち伏せしていた謎の女。だが、彼が帰ってきた瞬間、最悪な事実が発覚
tend Editorial Team

NEW 2026.07.03(Fri)

「相談のってあげる」と夫婦の悩みを夫に流す8年来の親友→友情を切った私が今いちばん穏やかな理由
tend Editorial Team

NEW 2026.07.03(Fri)

「それ古い型よね」娘の服を大声で笑ったママ友、だが、私が明かした事実で立場が逆転した瞬間
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.11.10(Mon)

「家を売るんじゃなかった」貯金3,000万円も六畳一間の74歳男性が後悔、老後の「住まい」と「お金」は別物か
tend Editorial Team

2025.12.09(Tue)

「無礼講!何でも言え」飲み会で笑う部長。真に受けた新人の一言に、その場の空気が凍りつく【短編小説】
tend Editorial Team

2026.04.29(Wed)

牛丼屋で割り箸を大量に持ち帰るのは犯罪か?SNSで波紋を広げる無料サービスの限界とモラル欠如の境界線
tend Editorial Team