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2026.07.03(Fri)

「早期教育のおかげね」と英才教育マウントをとるママ友。だが、久しぶりに再開したママ友が落ち込んでいたワケ

「早期教育のおかげね」と英才教育マウントをとるママ友。だが、久しぶりに再開したママ友が落ち込んでいたワケ

誰よりも先に走り続けた人

PTAの役員を一緒にやったママ友は、子育てでいつも先頭を走りたがる人だった。

幼稚園ではスイミング、小学校に入るとすぐ英会話に塾。周りの家庭がまだ様子を見ている時期に、彼女だけがどんどん先へ進んでいった。

会うたびに、習い事の成果を聞かされた。

中学に上がる頃には、自慢にも熱がこもっていた。

「うちの子、中1で英検3級まで取ったの。早期教育のおかげね」

「そうなんだ、早いね」

「早く始めたのよ」

「お宅も急がないと、差は開く一方よ」

うちの娘はマイペースで、習い事も本人がやりたがった時に始める程度。

比べられるたび、私の胸には小さなしこりが残った。

顔を合わせるたびに進度を測られ、急かされる。その繰り返しに、私はいつしか彼女と会うのが少し憂うつになっていた。

それでも、娘を無理に走らせる気にはなれなかった。

本人がやりたいと言うまで待とう、と夫とも話していた。

その方針が正しかったのかは、当時の私には分からなかった。

ただ、娘は自分の歩幅を崩さなかった。

高校で英語が好きになり、自分から勉強して英検2級を取った。

誰に急かされたわけでもない。

十年越しに分かれた道

子どもたちがそれぞれ社会に出てから、私はあのママ友と久しぶりに再会した。

彼女は昔のままの口調で、わが子の近況を尋ねてきた。

「お宅のお嬢さん、結局どうなったの?」

「今は就職して頑張ってますよ」

そう答えると、彼女の表情がわずかにこわばった。次の言葉を、探しているようだった。

「そう……。うちはね、あの子、途中から軽音楽にはまっちゃって」

声のトーンが、ゆっくり落ちていく。

「結局、進学もせずに就職したのよ。あれだけ早くから手をかけたのにね」

その場にいた何人かのお母さんが、静かに視線を交わした。誰も口は挟まない。

けれど、長年のマウントがその瞬間に空回りしたことは、その場の全員に伝わっていた。

かつて私を見下していた人が、今は言葉を濁してうつむいている。立場が、静かに入れ替わっていた。

「早く始めたから伸びる、ってわけでもないんですね」

私がそう言うと、彼女は何も返せず、曖昧にうなずくだけだった。

早期教育に振り回された日々を思い返しても、もう悔しさはなかった。子どもが自分で好きになったものこそ、いちばん遠くまで伸びる。そう確信できた再会だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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