「あなた達親子は品がない」と失礼な言葉をぶつける伯母。だが、私が明かした事実で形勢逆転
法事の席で聞こえた見下し
祖父の法要のあと、親戚一同で会食の席についたときのことだ。
実母の姉である伯母は、料理より先に口を動かした。
標的はいつも、妹である私の母だった。
「あなた達親子は品がない」
箸の持ち方から服の趣味まで、伯母は事あるごとに母をあげつらってきた。
見栄っ張りで、自分の家柄を持ち出しては悦に入る人だった。
「妹はこういう場のマナーも知らないし。娘さんもねえ、やっぱり育ちが出るわよ」
母はうつむいて、味噌汁の椀をじっと見ていた。
反論しないのは、いつものことだった。
私は、その横顔を見ていられなかった。
思い返せば、法事も墓の管理も、いつだって母任せだった。
祖父が亡くなってからというもの、伯母は「遠いから」「体が弱いから」と理由をつけて、一度も墓に足を運んでいない。
それでいて、こういう席では必ず母を見下す。理不尽さに、こめかみが熱くなった。
ほかの親戚たちも、伯母のふるまいには気づいていた。ただ、角が立つのを恐れて、みんな見て見ぬふりをしていただけだった。
静かな一言で傾いた空気
私はお茶を一口飲んで、伯母をまっすぐ見た。
怒鳴るつもりはない。事実だけを、静かに置けばいい。
「母は20年墓を守ってます」
伯母の箸が、止まった。
「祖父が亡くなってからの掃除も、毎月のお供えも、法事の準備も、母がずっと一人で続けてきました。品って、そういうところに出るんじゃないですか」
伯母の頬がこわばった。
「私だって、気にかけてたわよ」と言いかけて、語尾が消えていく。
目が泳ぎ、助けを求めるように周りを見回した。
「品というなら、遠くても手を合わせに来ることの方が、よほど品があると私は思います」
私が続けると、伯母は箸を置いたまま、もう一言も返せなかった。顔だけが赤くなって、視線がテーブルの上をさまよう。
けれど、誰も伯母の側にはつかなかった。
「本当にね。お墓のこと、ずっと任せきりだったものね」
年配の親戚がそう口を開くと、テーブルのあちこちで小さなうなずきが広がった。潮目が変わった瞬間だった。
それから伯母は、料理が下げられるまで一言も家柄の話をしなかった。会食が終わると、母のところへ来て、ぼそりと頭を下げた。
「……いつも、ありがとう」
帰る伯母の足取りは、来たときより明らかに重かった。
あれほど家柄を誇っていた人が、玄関で靴を履く手つきまで小さく見えた。
母は隣で目を丸くしていたが、やがて肩の力が抜けたように、ふうっと息をついた。長年ためこんだものが、ほんの少しほどけた夜だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














