「早くお祝いしたくて!」3人目の出産祝いを持ってきた義母。だが、私たち夫婦が困った理由とは
退院した日に、さっそく
3人目の子を産んで、病院から家に戻ったその日だった。
荷物を片づける間もなく、義母がいそいそと訪ねてきた。
手には、リボンのかかった紙袋。よほど楽しみにしていたのだろう、義母は玄関先で待ちきれない様子だった、。
初孫のころから、義母は行事のたびに何かと贈り物をくれる人だった。今度も、産まれたばかりの孫にいちばんに会いたかったに違いない。その気持ちは、玄関先の弾んだ声からもよく伝わってきた。
「早くお祝いしたくて!」
そう言って差し出された袋を開けると、新生児用の肌着セットが入っていた。仕立てのいい、やわらかな肌着。義母が孫のために丁寧に選んだのが、ひと目で分かった。
ありがたいけれど、少しだけ
気持ちは、本当にうれしい。ただ、受け取りながら心の隅で小さく考えてしまった。
3人目ともなると、上の子たちの肌着がたくさん残っている。
しかも産んだばかりの今は、新しい肌着に袖を通す前に水通しをしたい時期でもあった。
上の子ふたりのお下がりは、まだきれいなものばかりで、たんすの引き出しに整理してある。新しい肌着を増やすより、今はとにかく体を休めたい。そんな産後の本音も、正直なところ胸の隅にあった。
(うれしいな。でも、使うのはもう少し先になりそう)
顔には出さないつもりだったのに、夫にはお見通しだったらしい。義母がソファでくつろいだところで、夫がのんびりした調子で切り出した。
夫の伝え方
「母さん、ありがとう。気持ちがうれしいよ」
「次は生まれる前が助かるね」
義母が首をかしげる。夫はにこやかに続けた。
「うちは上の子のお下がりもたっぷりあるしね」
とがったところのない、あたたかい伝え方だった。義母は「まあ、気が回らなかったわ」と苦笑いして、それからふふっと笑った。
「そうよね。次は張り切って、早めに相談しておくわ」
そのひとことで、部屋の空気がふっとほどけた。義母を立てたまま、言いたいことはちゃんと伝わっている。夫の匙加減に、私はそっと感心した。
「せっかくだから、この肌着は退院祝いの記念に着せますね」私がそう言うと、義母はうれしそうにうなずいた。
数日後、肌着を着せた末っ子の写真を義母に送った。すぐに「世界一かわいい」と返信が来て、思わず笑ってしまった。タイミングは少しだけ早かったけれど、義母の愛情は、まっすぐで温かい。夫のひとことのおかげで、その温かさを気持ちよく受け取れた退院の日だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














