tend Editorial Team

2026.07.28(Tue)

「別に問題ないだろ」朝早くから響いた玄関を叩く音→隣人を起こしに来た友人の一言に絶句

「別に問題ないだろ」朝早くから響いた玄関を叩く音→隣人を起こしに来た友人の一言に絶句

壁越しに叩き起こされる朝

そのアパートで暮らし始めてから、私の朝はいつも最悪の形で始まった。まだ外も薄暗い時間、壁の向こうから激しくドアを叩く音と、人の名を呼ぶ大声が響いてくるのだ。

音の主は、隣室の住人ではなかった。その友人だという男が、毎朝のように部屋の主を起こしにやってくる。玄関先での騒ぎが壁越しに丸聞こえで、私は望んでもいないのに毎朝たたき起こされていた。

あまりに続くので、廊下で会ったときに一度だけ頼んでみた。朝が早すぎて眠れないんです、と。すると男は、きょとんとした顔でこう言い放った。

「別に問題ないだろ」

悪いという意識すらないらしい。

自分の家にいるのに気が休まらず、私は寝不足で頭が重い日々を送っていた。

睡眠を削られる毎日は、想像以上に応えた。昼間はあくびばかりで仕事に身が入らず、夜は夜で「また夜明け前にあの音で起こされる」と身構えてしまい、なかなか寝つけない。

自分の家なのに、心から気を抜ける場所がどこにもない。私は心底うんざりしていた。

管理会社が動いた翌朝

限界を感じた私は、管理会社に相談を持ちかけた。感情的に訴えても仕方がないので、騒音のある曜日と時刻、続いている期間を紙にまとめ、生活に支障が出ていることを落ち着いて説明した。

応対した担当者は、思いのほか親身だった。実は同じ棟の別の入居者からも近い相談が来ていたそうで、これは放っておけませんね、とすぐに対応を約束してくれた。

ひとりで我慢し続けなくてよかったのだと、その言葉に少しだけ肩の力が抜けた。

後日、管理会社は隣室の住人と、朝ごとに訪ねてくるその男の双方へきちんと注意を入れた。早朝に共用部で騒ぐ行為は他の住人の迷惑であり、改善されなければ次の段階の対応もある。そう明確に伝えたという。

変化は劇的だった。次の朝、私はいつものように身構えて目覚めた。けれど、待っていても壁は鳴らない。叩く音も、呼ぶ声も、まるでなかったことのように消えていた。

「もう、来ないんだ」

つぶやいて、そのまま二度寝した。何か月ぶりかで、朝日で自然に目が覚める当たり前の朝が戻ってきた。その後、廊下で隣室の住人と会ったときも、向こうはばつが悪そうに目を伏せて会釈するだけだった。

朝ごとに男が押しかけてくる気配は、すっかり消えていた。以来、あの足音が近づいてくることは一度もない。きちんと筋道を立てて相談すれば、こじれた困りごとも動くのだと知った出来事だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.11.03(Tue)

「さっさとどけよ!」と前の車に毒づく運転席の彼。赤信号で降りた私はタクシーで帰宅し、彼の連絡先を即ブロック
tend Editorial Team

NEW 2026.11.03(Tue)

「そんなに払ってまで買う?」映画館の売店で私を批判した彼。上映後、空になった箱を見せると黙り込んだ
tend Editorial Team

NEW 2026.11.03(Tue)

「あら〜、お菓子の山ね!」と戸棚を荒らす息子を笑って眺めるママ友。私が真顔で告げると、ママ友の余裕が崩壊
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.12.19(Fri)

「同居しないなら縁を切るぞ!」と脅す義両親→「わかった」と夫が即答した理由とは?【短編小説】
tend Editorial Team

2026.05.06(Wed)

混雑する朝の電車でスマホに夢中の若者→少し詰めれば乗れるのに動かない後ろで黙り込んだ乗客たちの違和感
tend Editorial Team

2026.09.25(Fri)

夜11時すぎの「バタン!」という車のドアを閉める音で起こされる。しかし、勇気を出して朝の駐車場で事情を伝えると
tend Editorial Team