「1日も延泊して、自己管理が甘い」義母から身に覚えのない注意→夫が自分を守るためについた嘘に絶句
空港で鳴った、義母からの通知
スーツケースを受け取った空港のロビーで、私のスマホが震えました。
義母からのメッセージでした。
「1日も延泊して、自己管理が甘い」
心当たりが、まるでありません。
夫とふたりで出かけた海外旅行は、たしかに予定より一日長くなりました。
でもその理由を、私は帰りの飛行機の中ですら知らなかったのです。
「お義母さん、なんか怒ってる。心当たりある?」
夫は画面をのぞき込むと、ばつが悪そうに目を逸らしました。
「……実は。母さんには、お前が熱を出したって言ってある」
「は? なんでそんな嘘つくの」
夫は帰国日を一日勘違いしていて、まだ現地にいるはずの日に会議を入れていたそうです。
その穴を埋めるために、妻が寝込んだことにして滞在を延ばした。そういう筋書きでした。
「言えば済む話でしょ。日にちを間違えましたって」
「母さんは、俺が仕事でミスするのを一番嫌うんだよ」
三十秒で終わった、真実の告白
数日後、義両親の家に呼び出されました。座卓の前に正座させられ、お茶が出るより先に義母が口を開きます。
「せっかくの旅行で寝込むほど無理をするなんて、いくつになったの」
「うちの息子の予定を潰したのよ。わかってる?」
夫は隣で湯呑みを両手で包んだまま、床のあたりを見ています。義父は義父で、「まあ、次から気をつけなさい」と義母に同調するばかり。
反論しようと息を吸うたび、夫の肩がびくりと跳ねるのが視界の端に映りました。
結局、私は「すみません」と頭を下げて帰ってきたのです。玄関で靴を履く私の背中に、義母が「次はちゃんと薬を持っていきなさい」と言いました。持っていく必要のない薬でした。
家のドアを閉めた瞬間、こらえていたものが決壊しました。泣きながらスマホを開いて、義母に送りました。
「熱は出していません。夫が帰国日を間違えたのを認めたくなくて、私のせいにしただけです」
既読はすぐにつきました。三十秒ほど待って、返ってきたのは一行です。
「あ、そうなの」
続きはありませんでした。息子を責める言葉も、私への詫びもなく、会話はそこで止まったのです。
翌週、義母から届いたメッセージは「暑いから体に気をつけてね」という、いつもと変わらない世間話でした。
義両親の中では、あの旅行はいまも「嫁が熱を出して息子に迷惑をかけた一件」のままです。訂正したのに、何ひとつ塗り替わらない。夫はといえば、リビングで平然とテレビを見ています。
「あのメッセージ、お母さんに送ったから」
「ふうん」
それきり、家の中はやけに静かでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














