「昨日はもっと安かっただろ」洗剤の値段に納得しない客。店員が売り場を確認して分かった勘違い
表示された金額が違う
夕方、日用品を買うために、近所のドラッグストアへ立ち寄ったときのことです。
レジに並んでいると、前のほうから、少し強い口調の声が聞こえてきました。
声の主は、洗剤を一つ持った年配の男性客です。
「これ、昨日はもっと安かっただろ」
男性はレジの画面に表示された金額を指しながら、店員に尋ねていました。
対応していた若い店員は、商品を確認しながら答えます。
「申し訳ございません。売り場の表示を確認してまいります」
ところが男性は、納得できない様子で続けました。
「確認しなくても、棚に安い値段が出ていた。表示どおりに売るのが普通じゃないのか」
店員は言い返さず、近くにいた別のスタッフへ声をかけました。
その間にも、男性は「昨日も見た」「値札が分かりにくい」と、不満を口にしています。
後ろの列は少しずつ長くなり、並んでいた人たちも、困ったように成り行きを見守っていました。
似た商品の値札でした
しばらくして、売り場を確認したスタッフが戻ってきました。
手には、売り場から持ってきた価格表示の札があります。
「お待たせいたしました。お客様がご覧になったのは、こちらの商品のお値段かと思われます」
札に書かれていたのは、同じメーカーのよく似た洗剤でした。
ただし、男性が持っていたものより内容量が少ない商品です。
パッケージの色や形が似ていたため、遠目には同じ商品に見えたのかもしれません。
店員は、男性が持っている洗剤と価格札の商品を並べながら、違いを説明しました。
「こちらは容量の少ない商品でして、お持ちの商品とは価格が異なります。分かりにくい並びになっており、申し訳ございません」
男性は二つの商品を見比べ、しばらく黙っていました。
それでも気持ちが収まらなかったのか、少し不満そうな声で言います。
「紛らわしい置き方をするから、間違えるんだよ」
店員はもう一度頭を下げました。
「ご意見は売り場の担当者にも共有いたします。こちらの商品は、表示されている金額での販売となりますが、いかがなさいますか」
男性は少し考えたあと、洗剤をレジ台へ戻しました。
「じゃあ、今日はやめておく」
先ほどまでの勢いはなく、そのまま店を出ていきました。
店員は洗剤を脇へ置き、並んでいた客へ向き直ります。
「お待たせして申し訳ございません。次のお客様、どうぞ」
値段の違いは、店側の不正でも値上げでもなく、似た商品を見間違えたことが原因でした。
ただ、商品がよく似ていれば、勘違いしてしまうことはあるかもしれません。
声を荒らげる前に一度確認するだけで、もっと早く解決できたのではないか。流れ始めた列を見ながら、私はそう感じました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














