「客に向かって、その態度はなんだ」新人に怒鳴り続けた客へ、店長が伝えた一言
会計が終わっても、男性はレジの前を動かなかった
飲食店で店長をしていたころの話です。夜の混雑が少し落ち着いた時間、レジのほうから男性の大きな声が聞こえてきました。
見ると、年配の男性のお客様が、会計を済ませたあともレジの前に立ったまま、アルバイトの男の子に何かを言っています。対応していたのは、その春に入ったばかりの大学1年生でした。
「客に向かって、その態度はなんだ」
男性は同じような言葉を何度も繰り返していました。
何がそこまで気に障ったのか、離れた場所からでは分かりません。ただ、男の子は「申し訳ありません」と頭を下げ続け、伝票を持つ指がわずかに震えていました。
このまま一人で対応させるのはよくないと思い、私はレジへ向かいました。
「店長です。ここからは私がお話を伺います」
男の子には少し後ろへ下がってもらい、私が男性の前に立ちました。
ところが、男性は私に相手が変わっても声を落としません。
「お話は伺いますので、もう少し声を落としていただけますか」
まずはそうお願いしました。しかし男性は納得できない様子で、またアルバイトの態度について話し始めます。
その間にも、後ろには会計を待つお客様が並び始めていました。
私は二度目に伝えました。
「後ろでお待ちのお客様もいらっしゃいます。こちらでお話を伺いますので、レジの前を空けていただけますか」
それでも男性はその場を動かず、声も変わりませんでした。
三度目は、お願いではなく店として伝えた
周りの席からもこちらを見る人が増えてきました。
私はできるだけ普段と同じ声で、三度目にこう伝えました。
「これ以上大きな声を出されるなら、店内にはお残りいただけません。申し訳ありませんが、お帰りをお願いします」
男性は何か言い返しかけましたが、そこで一度言葉を止めました。
そして周囲を見回したあと、しばらく黙ってから出口へ向かいました。扉が閉まると、止まっていたレジの列も少しずつ動き始めます。
私は後ろにいたアルバイトの子を見ると、まだ緊張した顔をしていました。
「大丈夫?少し休憩してきていいよ」
そう声をかけると、その子は小さく「ありがとうございます」と答えて、バックヤードへ向かいました。
少しして戻ってきたときには、表情もだいぶ落ち着いていました。
接客をしていれば、お客様から厳しい言葉を受けることもあります。それでも、一人のアルバイトが抱え込む必要はありません。
あのとき間に入ったことは、店長として当たり前の対応だったと思っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














