「Lサイズを頼んだはずなんですけど」コーヒーのボタンを押し間違えた客。だが、店員が責めずにかけた言葉
「Lサイズを頼んだはずなんですけど」
夕方のコンビニで会計を待っていたときのことです。コーヒーマシンの前から、少し困ったような女性の声が聞こえてきました。
見ると、小さな子どもを連れた女性が紙コップを手にしています。
「すみません。これ、Lサイズを頼んだはずなんですけど、なんだか少なくないですか?」
レジにいた店員さんがマシンのところまで来て、コップとボタンを確認しました。
どうやら女性は、Lサイズを購入したものの、マシンではMサイズのボタンを押してしまったようでした。
「えっ、でも私、ちゃんと押したと思うんですけど……。これ、ちょっと分かりにくくないですか?」
責められたと感じたのか、女性の声が少し強くなります。
店員さんは言い返すことなく、マシンの表示を指しました。
「サイズごとにこちらへ書いてあるんですが、ボタンが近いので間違えやすいかもしれませんね」
女性は指された場所をじっと見ます。
「あ……こっちがLなんですね」
さっきまでの勢いが少しだけなくなり、女性は手元のコップに目を落としました。
責めなかった店員に、女性が返した言葉
店員さんはそこで「押し間違えています」と念を押すこともありませんでした。
新しい紙コップを用意すると、いつもと変わらない調子で言いました。
「こちらでお入れしますね、レジはそのままで結構です」
女性は一瞬驚いた顔をしました。
「いいんですか?」
「はい。Lサイズでお会計いただいていますので、大丈夫ですよ」
店員さんがコーヒーを入れて差し出すと、女性は受け取りながら少し気まずそうに頭を下げました。
「……すみません。ありがとうございます」
すると、それまで黙って待っていた子どもが、母親の顔を見上げました。
「ママ、よかったね」
女性は少し笑って、「うん、よかった」と答えます。そしてもう一度、店員さんに「ありがとうございました」と言って店を出ていきました。
店員さんは特別なことを言ったわけではありません。ただ、間違いを必要以上に責めず、必要なことだけを伝えていました。
もしあの場で「お客様が押し間違えたんですよ」と強く言われていたら、女性も素直に引けなかったかもしれません。相手を追い詰めない伝え方ひとつで、その場の空気はずいぶん変わるのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














