tend Editorial Team

2026.08.31(Mon)

「そんな話なら援助はしない」私の姓を名乗ると決めた夫と認めない義父。向き合った夫が伝えた気持ちとは

「そんな話なら援助はしない」私の姓を名乗ると決めた夫と認めない義父。向き合った夫が伝えた気持ちとは

認めないと言われた席で

結婚が決まったとき、義両親はとても喜んでくれていました。式や新居の話も向こうからしてくれて、「費用も少し援助するつもりだから」と言ってくれていたのです。

ところが、次に義実家を訪ねた日のことでした。

夫が少し緊張した様子で、義両親に話を切り出しました。

「結婚したら、僕が彼女の姓を名乗ろうと思ってる」

その瞬間、義母の手が止まりました。義父もすぐには何も言わず、夫の顔をじっと見ています。

「……お前が?向こうの姓になるってことか?」

「うん。二人で話して、そう決めた」

夫が答えると、義父は明らかに納得できないという顔をしました。

「いや、ちょっと待てよ。そんな話、聞いてないぞ」

「今、ちゃんと話そうと思って来たんだよ」

「普通は女性が男性の姓を名乗るものだろう。わざわざお前が変える必要があるのか?」

夫はすぐには答えず、少し間を置いてから言いました。

「僕たちは、これでいいと思ってる」

すると義父はため息をつきました。

「……好きにすればいい。だけど、こっちは簡単に『そうか』とは言えないぞ」

さらに、式や新居のために用意していた援助についても、「そんな話なら出すつもりはない」と言われました。

私は膝の上で手を重ねたまま、何も言えませんでした。私の姓を選ぶことが、まるで私が夫に頼んだことのように受け取られている気がして、居心地の悪さだけが増していきます。

すると隣にいた夫が、少し身を乗り出しました。

「父さん、援助はいらないよ」

義父が顔を上げます。

「お前、何を意地になってるんだ」

「意地じゃない。援助してもらうために結婚するわけじゃないから」

夫の声は穏やかでしたが、はっきりしていました。

「それに、決めたのは僕だから。彼女に何か言うのはやめてほしい」

義父は眉をひそめました。

「俺は別に、この人を責めてるわけじゃない」

「うん。でも、そう聞こえるから」

しばらく沈黙が続きました。

義父はまだ何か言いたそうでしたが、夫も目をそらしませんでした。

「援助はいりません。この話はもうやめてください」

最後は、夫がそう区切りました。

すると、それまで黙っていた義母が小さく息をつきました。

「……今日はもう、そのくらいにしましょう」

義父もすぐには納得した様子ではありませんでした。ただ、「分かった」とも「認める」とも言わず、そのまま湯呑みに手を伸ばしました。

その日は、それ以上その話をすることなく帰りました。

自分たちで用意した、小さな式と新しい暮らし

その後、私たちは予定どおり結婚し、夫は私の姓を名乗りました。

義両親からの援助は受けず、式場も新居も自分たちで探しました。予算を見ながら、「これはなくてもいいね」「ここは残したいね」と何度も相談しました。

招いたのは近しい人だけ。新居も、二人で暮らすには十分な小さな部屋でした。

私の両親に事情を話したときは、少し心配そうな顔をされました。

それでも最後には、「二人で決めたなら、それが一番だよ」と笑ってくれました。

当初思い描いていた結婚の形とは少し違いました。それでも、自分たちで決めたことだから、不思議と後悔はありませんでした。

義両親とも、関係そのものが切れたわけではありません。今も連絡は取っていますし、夫が実家に電話をしている途中で、「ちょっと代わる?」と私に受話器を渡すこともあります。

あの日のことを、こちらから蒸し返したこともありません。

ただ、ときどき思い出します。

あの席で私は何も言えませんでした。そんな私の隣で、夫が「援助はいらない」「彼女に言うのはやめてほしい」と、自分の言葉で線を引いてくれたことを。

あのとき夫が先にそう言ってくれたからこそ、私たちは自分たちの結婚を、自分たちで選べたのだと思っています。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.16(Fri)

「店員は1人しかいないのか、遅いぞ」早朝のハンバーガー店で怒った男性。だが、常連の女性の一言で救われた
tend Editorial Team

NEW 2026.10.16(Fri)

「満室なんか知るか、何とかしろ」温泉旅館で部屋の格上げを迫った男性。だが、支配人が明かした部屋選びの理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.16(Fri)

「でも、父は叔父さんを信じて貸したのよ」15年前の100万円をめぐり、母が法事の席で明らかにした記録
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.30(Tue)

「お宅の子はハンカチで十分よね」子どもの誕生日プレゼントをランク分けするママ友。だが、誕生日会で化けの皮が剥がれた瞬間
tend Editorial Team

2026.05.25(Mon)

「ちょっと借りていくね」と言いながら家から何でも持ってく親戚。だが、親戚が見せた本性に背筋が凍ったワケ
tend Editorial Team

2026.02.13(Fri)

「音漏れしてる…最悪」電車で隣に座った若者。不快に思っていた私が聞いてしまった、音楽の正体とは
tend Editorial Team