「私のほうが上手にできるよ」声をかけてきた知らない子供。何度も失敗する子供に我が子がかけた言葉
「私のほうが上手」と何度も言っていた
子ども二人を連れて公園へ行った日のことです。
上の子が、その日はじめてうんていを最後まで渡りきりました。
私が「すごいね」と声をかけていると、近くで遊んでいた女の子がこちらへ来ました。
「私もできるよ」
知らない子でしたが、年齢はうちの子たちと同じくらいに見えました。
それから、その子は私たちが遊具を移るたびについてきました。すべり台へ行っても、鉄棒へ行っても、「私もできる」「私のほうが上手」と話しかけてきます。
最初は「そうなんだ」と返していましたが、何度も続くうちに、どう答えればいいのか分からなくなってきました。
やがて、またうんていの近くまで戻ってきたときです。
その子が、上の子を見ながら言いました。
「私のほうが上手にできるよ」
私は少し迷ってから、うんていを見ました。
「じゃあ、やってみる?」
すると、その子は一度黙りました。それでもすぐに「うん」と答え、棒の下へ走っていきました。
両手を伸ばしてぶら下がったものの、数本進んだところで手を離し、砂の上へ着地しました。
さっきまで何度も「できる」と言っていたので、私は何と声をかければいいのか迷いました。
結局、出てきたのは短い一言だけでした。
「惜しかったね」
今度は、自分からもう一度ぶら下がった
その子は手についた砂を払うと、何も言わずにもう一度うんていの下へ戻りました。
今度はさっきより少し先まで進みました。それでも途中で落ちます。
何度か繰り返しているうちに、うちの子たちも近くで見始めました。
「もうちょっとだよ」
上の子が声をかけると、その子は返事をせず、また棒をつかみました。
途中で何度か体が止まりましたが、その日はじめて最後の棒までたどり着きました。
地面へ下りると、その子は自分の手のひらをしばらく見ています。
それから、小さな声で言いました。
「できた」
うちの子たちが「できたね」と言うと、その子は照れたように笑いました。
そのあと少し遊んでいると、離れたところから親御さんが呼ぶ声がしました。その子は「帰る」と言って走っていきました。
帰りぎわ、一度だけ振り返って見ていたのは、私たちではなく、さっき渡りきったうんていでした。
どうしてあれほど「できる」と言っていたのか、本当のところは分かりません。
ただ、あのときの様子を思い出すと、本当にできるようになりたい気持ちもあったのかもしれないと思います。
知らない子への声のかけ方に、今でも正解は分かりません。それでも、あの日は余計なことを言わず、もう一度挑戦する姿を見ていてよかったと思っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














