「これ、全部俺が使ったの?」お金で揉めていた夫婦。だが、夫がノートを見て提案した新ルールとは
数千円の出費なのに、なぜか貯金が増えない
冬の月末、私は家計の記録を見ながら、思わず手を止めました。
共働きなので、毎月それなりに残せているつもりでした。それなのに、貯金は思っていたほど増えていません。
夫に聞いてみると、趣味の買い物や仕事帰りの外食などで、少しずつ使っていたことが分かりました。
「そんなに使ってるつもりないけどな」
「うん。一回一回はそんなに高くないんだよ。でも、なんか全然残ってなくて」
私がそう言うと、夫は少し困ったような顔をしました。
「でもさ、毎月赤字ってわけじゃないだろ?そこまで気にしなくても何とかなるんじゃない?」
責められていると思ったのかもしれません。私も「使わないで」と言いたかったわけではなく、ただ、このままで大丈夫なのか不安でした。
そこで私は、夫がその月に使った趣味の買い物や外食代を、分かる範囲で日付と金額にしてノートへ書き出しました。
一回は二千円、三千円程度。それでも並べて合計すると、私が想像していたより大きな金額になっていました。
夜、食卓にそのページを置くと、夫が眉を上げました。
「何これ?」
「先月、自由に使ったぶん。怒りたいんじゃなくて、一回見てほしくて」
夫は黙って上から数字を追っていきました。
「……あれ。これとこれ、同じ週?」
「そう」
「そっか。俺、一回ずつしか考えてなかったわ」
その言葉を聞いて、私も少し肩の力が抜けました。
「じゃあ、先に決めておこう」
その夜、夫がノートを見ながら言いました。
「使うなって言われるのは嫌だけど、毎回これで揉めるのも嫌だな」
「私だって、何を買ったか全部聞きたいわけじゃないよ」
「じゃあさ、先に決めておこう。貯金するぶんと、自由に使っていいぶん」
その場ですべてを決めることはせず、私たちは3回に分けて話しました。
最初は、普段何にいくら使っているのかを確認しました。次に、生活費とは別に、毎月必ず貯金へ回す額を決めました。
そして3度目の夜、お互いが自由に使える金額を同じ額にしました。
夫はノートの端に金額を書いて、私の顔を見ました。
「ここまでは、本当に好きに使っていいんだよな?」
「いいよ。私も同じ額にする。その代わり、なくなったらその月は終わりね」
「それなら分かりやすいな。じゃあ、欲しかったやつ買うならそこから出す」
「私もいちいち『これ買っていいかな』って気にしなくて済むしね」
そう言うと、夫は少し笑って「それ、お互いさまだな」と返しました。
お金の話をする回数が、少しずつ減った
翌月から、お金のことで言い合いになることは以前よりずっと減りました。
夫は自分の自由費が少なくなると、「今月はもうやめとく」と次の月まで待つようになりました。
私も、自分のための買い物をするときに、前ほど後ろめたく感じなくなりました。
節約する側と使う側に分かれていたころは、どちらかが我慢しなければいけないと思っていました。
でも必要だったのは、全部を我慢することではなく、「ここまでは使っていい」という線を二人で決めることだったのかもしれません。
あの月末に書いた数字の並ぶページは、今もノートの後ろに挟んであります。たまに見返すと、夫と何度も話した冬の夜を思い出します。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














